愛知県平和委員会 第64回定期大会 ~改憲策動ゆるさない草の根の運動を広げよう~

憲法改悪、集団的自衛権行使、TPP推進、原発再稼働と輸出、オスプレイの配備、消費税増税など参議院選挙後の緊迫する情勢のもと、第64回愛知県平和委員会定期大会が7月28日(日)労働会館で開催され、15基礎組織50人が参加しました。
高橋理事長の開会あいさつ(別項に要旨)、来賓の愛友会鬼頭さんからのあいさつにつづき、記念講演として、長谷川一裕さん(弁護士法人名古屋北法律事務所弁護士)に「参議院選挙後の改憲動向と私たちの運動」と題して講演(別項)していただきました。
大会議案である1号議案の報告を矢野事務局長が行い、「憲法改悪を許さない運動を起こすとともに、その運動を広げる平和委員会を強く大きくしよう」と呼びかけました。その後決算予算の2号議案を滝田事務局次長が報告しました。

第64回定期大会記念講演 7/28 労働会館

第64回定期大会記念講演 7/28 労働会館

午後の討論では、22人が発言し、憲法改悪を許さない幅広い運動体をとこの間の経過と今後の課題、原発再稼働を許さない中電、関電前行動、2015年NPTに向けて核兵器廃絶の署名運動を広めよう、名古屋港の軍事利用を許さず、非核の名古屋港実現へ請願行動を行った経験、ブルーインパルスのアクロバット飛行許さない情勢と署名運動、沖縄の公有水面埋め立て申請不許可を求める沖縄知事へ100万人のハガキ運動、情報発信をすすめるホームページのリニューアル、1000人の組織実現へ、運動あるところに会員拡大、新聞購読の意識的呼びかけをなど短い時間でしたが、多面的に報告・交流されました。
まとめの発言後、坂本事務局次長から役員体制を提案する3号議案の提案。その後、それぞれの議案について、会場の拍手で確認されました。閉会挨拶にたった嶺村副理事長は、新たな組織建設に力を尽くすことを呼びかけました。(矢野)

◆開会あいさつ 高橋 信

高橋さん選挙後1週間経ちましたが、安倍首相は、改憲策動を露骨にすすめています。国家安全保障基本法を国会で通す前に、1つは、内閣法制局に圧力をかけて集団的自衛権の政府解釈変える。2つは、日本版NCS、国家安全保障会議を設置する。3つは、防衛大綱を大幅に見直し、自衛隊に敵基地攻撃のための海兵隊機能を持たせる。4つは、秋の国会で秘密保全法案を通す、ということです。
さて、こうした中で安倍首相の歴史認識が、国の内外で厳しく問われています。アーミテージ元国務副長官ですら、「侵略に定義は定まっていない」との答弁については「あのコメントはしてほしくなかった」と苦言を呈しています。伊吹文明元文科相も村山富市・河野洋平氏との座談会で安倍首相への「ご意見」で、「歴史を学んでいただきたい。…歴史の実体験がない総理大臣ですから…」と進言しています。安倍首相の歴史認識は、2人の日米の保守タカ派の人物が「忠告」するほどひどい妄言・暴言だということです。
そのことは、安倍氏を支持する日本国民の歴史認識が問われているということでもあり、若者がきちんとした歴史認識をどう培うかが、日本の未来を左右する重要課題だということを示しています。ある県立高校では文化祭・全校討論会で「日本の戦争責任を考える」というテーマで議論する計画がすすめられ、その準備の一環として朝鮮人強制連行の跡地をこの目でみたいというフィールドワークがついこの間行われました。そのなかで、「僕たちにも戦争責任はあるのだろうか」という問いが発せられています。こういう若者のとりくみから私たちは、学ぶことが大切です。平ゼミ・青年学生部の役割は重大です。みなさん、若者とともに私たちの歴史認識を鍛えていこうではありませんか。

定期大会で選出された役員
理事長 高橋 信
副理事長 長坂 圭造、林 達也、三浦 米吉、嶺村 君代
事務局長 矢野 創
事務局次長 坂本 敏彦、滝田 伸幸

◆長谷川一裕弁護士の記念講演~自民党改憲案、憲法96条、集団的自衛権~

参議院選挙後の情勢について、自民党の圧勝は一人区での議席獲得による所が大きいが、衆参で改憲派が多数を占めた国会で、当面、集団的自衛権の憲法解釈突破し、国家安全保障法を制定して、政府判断により海外で武力行使を可能にしようとしている。秋以降の闘いが大変重要と指摘しました。長谷川弁護士
自民党の改憲草案についても、問題点を解りやすく話されました。特に印象深かったのは、前文で天皇制を国体の中心にし、「国と郷土に誇りと気概をもって自ら守り」「伝統と国家を子孫に継承する」ことを憲法の目的としていること。「和を尊び、家族や社会が互いに助け合って国家を形成する」という文言や24条で社会の基礎単位を個人から家族へするなど、社会保障における自立・自助の原則。地方自治でも、自主的な財源を充てることを基本とするなど時代錯誤の国家主義であるとともに、最先端の新自由主義的内容になっているという指摘。また、国防軍と自衛隊との本質的な違いもよく解りました。
改憲草案は、安倍首相の妄想かと思ったけど、自民党は本気で戦前のような国にしようとしていると恐ろしくなりました。
(文責 戸谷)

<愛知県平和委員会第64回定期大会の発言要旨>

発言の中から一部を選んで詳細を掲載いたします。

◆特別発言~憲法を守る幅広い結集を~(瑞穂区会員 見崎徳弘)

見崎さん自公が大勝しねじれ解消したことで、悪法の製造が予想される危険な状況があり、また共産党は躍進したものの社民、みどりなどの状況見れば「良かった」では済まない状況です。しかし自民改憲案や歴史認識などは、国民から全権委任されたわけでないし、世界からもアメリカからも容認されていない点については、私たちのよりどころとしていかなければなりません。一方で3年間選挙がない中で、情勢次第で明文改憲、国民投票もありうる危険性をはらんでいます。そのときに私たちは勝てる状況を作らないといけなくなっており、運動の課題、平和委員会の役割は大きくなっています。
憲法共同センター渡辺治講演での重要点①保守層を含め裾野を思いきって広げる②草の根の運動をつくり、自分たちで考えて行動する主体づくり③若い層に加わってもらうなどの観点が大切で、まだまだのびしろはあます。今後工夫する点として①学習を広げ、憲法の語り部を広げる②垣根なく広く当たる。国民投票の18歳への変更で、学生が「知らない」ではすまされない。教員組合など役割は重要③力の結集をすること。憲法と平和を守る愛知の会が再開し、共産党、社民党、新社会党など政党レベルから草の根まで幅広く力を集中する場所づくりをすすめる④沖縄糸数さんのように統一候補の模索をすすめることなどが大切です。

◆参議院選挙後の沖縄(命どぅ宝」あいち・平和委員会 理事 新城正男)

新城さん参議院選挙後の沖縄でおきていることを報告します。
1つは参院選投票日の翌日、普天間飛行場の野嵩ゲート前の広場に鉄柵が設置されました。防衛局は抗議市民のいない午後8時から夜明けまでに工事を済ませました。8月のオスプレイ配備に反対する市民の集合場所を封鎖し、ゲート入口に市民が立つと、道交法違反で排除・逮捕できるようにしました。沖縄県民の闘いへの重大な挑戦が強行されました。
2つは、辺野古埋立ての利害関係者の意見集約が7月18日に締め切られましたが、意見書は沖縄県内外から3500通を超えましたが、沖縄県は、その9割は「利害関係」はないとの判断を示したとの報道です。
3つは参院沖縄選挙区の結果ですが、名護市では150票程の僅差で糸数慶子さんが多かったことです。選対では「もう1週間選挙期間が長かったら逆転されていたかもしれない」との話がありました。仲井眞沖縄県知事が自民党候補の選対責任者になり、特に名護市にテコ入れしたようです。すでに来年の市長選をターゲットしています。
以上の情勢から、平和委員会が全国でとりくみ「仲井眞知事への『辺野古埋立を許可しないでください』ハガキ郵送は重要な取り組みです。「命どぅ宝」あいちも300枚引き受けます。

◆安倍政権で小牧基地の危険性ますます強まる(小牧平和委員会 福本英雄)

福本さん安倍政権は、7月26日発表した「新防衛計画の大綱の中間報告」の中に、「敵の軍事基地を直接たたく敵基地攻撃」や「自衛隊の海兵隊機能」の検討など日米軍事同盟強化と自衛隊増強路線を露骨に打ち出しました。
安倍首相は日本が購入するF35戦闘機を敵基地攻撃に活用するとも述べています。戦闘機と一体な「空中給油機」が配備されている小牧基地の危険性がますます強まるだけでなく、自衛隊が敵基地攻撃能力をもてば、「専守防衛」の原則に反し、先制攻撃することになりかねず、安倍政権の危険な狙いを浮き彫りにしています。
その一方で、地域住民への懐柔工作も強められています。ブルーインパルスのアクロバット飛行阻止の署名を12000筆以上集める活動、沖縄・琉球新報記者を招いての9月1日(日)の学習交流会、9月29日(日)の小牧平和県民集会などの活動を成功させるため、小牧平和委員会はその先頭に立って奮闘します。

 

◆国民平和大行進の幹線に合流(あま東部平和委委員会 松下彰宏)

これまで網の目平和行進を続けてきたあま東部地域で、松下さん今年、国民平和大行進幹線コースへの合流を果たしました。日曜日開催の網の目に対して、平日の行進ということで参加者数が心配されましたが、出発地の大治町からは19人、休憩地点のあま市甚目寺庁舎からは29人、述べ48人の参加で成功させることができました。当日は、あま市議会議長が庁舎前で出迎え、歓迎のあいさつをしてくれました。
行進に先立つ申し入れでは、あま市で平和市長会議に加盟したことが明らかにされました。これらの成果は、これまで地元のたゆみない運動と共産党議員の尽力の部分が大きいのですが、私たちの訴えが決断を促したものと評価されてもいいのではないかと思います。
今夏の私たちの運動の前進はささやかなものでありますが、大きな一歩になったと確信しています。