原水爆禁止2013年世界大会-広島決議 広島からのよびかけ

 68年前の8月6日、アメリカの原爆投下によって広島は「この世の地獄」となりました。14万もの人びとの命が、その年のうちに奪われ、かろうじて生き延びた被爆者たちは、放射線がひき起こすさまざまな病にむしばまれ、癒されることのない心の傷に、いまなお苦しみつづけています。原爆は、人間として死ぬことも、人間らしく生きることも許しませんでした。

 この苦しみを、世界のいかなる地にもくり返させない。それが、被爆者とともに歩んできた私たちの運動の原点です。原水爆禁止2013年世界大会は、核兵器の非人道性を再確認し、核兵器廃絶への決意を新たにする場となりました。

 いま世界では、政府のレベルで核兵器の非人道性を告発し、その禁止を求める流れが急速にひろがっています。それは、核保有国の抵抗を乗りこえて、「核兵器のない世界」の達成という核不拡散条約(NPT)再検討会議の合意の実行をせまる新しい努力です。国連や各国政府、自治体との共同をさらに強め、広範な世論と運動を発展させて核兵器廃絶への道を切りひらきましょう。

いまや7割を超える政府が、核兵器禁止条約の交渉開始を求めています。被爆70年の節目であり、NPT再検討会議が開催される2015年にむけ、「核兵器全面禁止のアピール」国際署名の運動を飛躍的に発展させ、「核兵器のない世界」の実現を求める巨大なうねりをつくりだしましょう。

「原爆展」や被爆体験を語る集いなどの取りくみを強め、被爆の実相を広範な人びとにひろげましょう。原爆被害の過小評価を許さず、原爆症認定制度の抜本的改善と国家補償を求め、被爆者援護・連帯の活動をいっそう強めましょう。被爆二世・三世とともに被爆体験を継承する取りくみを発展させましょう。

 核兵器の非人道性を告発し、その禁止を求める共同声明への参加を日本政府が拒否したことは、核兵器廃絶にむけた努力に対する裏切りです。その背景には、アメリカの「核の傘」への依存があります。政府に対し、非核三原則の厳守、「核の傘」からの離脱、被爆国にふさわしい役割の発揮を求める運動をいまこそ強め、日本の運動の国際的な責務をはたしましょう。

 安倍政権が改悪をねらう日本国憲法第9条には、ヒロシマ・ナガサキをくり返さない不戦の決意がこめられています。憲法を守り生かす運動、沖縄はじめ米軍基地の縮小・撤去を求める運動、集団的自衛権の行使など日米軍事同盟の強化に反対するたたかいを大きく発展させましょう。軍事費の削減、いのち・くらしと雇用を守る運動をいっそう強めましょう。

 「核の被害者をつくらせない」の願いをひとつに、原発の再稼働と輸出に反対し、原発からの脱却と自然エネルギーへの転換を求める運動との連帯をさらに発展させましょう。核兵器と原発との危険な関係や放射線被害の実態について学び、広範な人びとにひろげましょう。

 いまこそ被爆者の声に耳を傾けましょう。被爆の実相を世界へ、そして若い世代へとひろげましょう。被爆者とともに、若い世代とともに、「核兵器のない世界」への扉を大きく開きましょう。

2013年8月6日

原水爆禁止2013年世界大会-広島


日本原水協ウェブサイトより転載