155ミリ榴弾砲の空包に泣き出す子どもも 第10師団観閲式・訓練展示

子どもに綱渡り体験 9/29 守山駐屯地

子どもに綱渡り体験 9/29 守山駐屯地

9月29日(日)陸上自衛隊守山駐屯地において、第10師団創立51周年の記念式典が行われ、一般公開されました。観閲式の後の訓練展示は、今までにまして自衛隊員をヒーローに仕立てる演出が目立ちました。武器を持った相手に素手で立ち向かい倒す、一人で4人の武器を持った敵を倒す(ありえない!)。初めて?のオートバイドリルは、映画音楽のような演奏にのって、7台のバイクが勇壮に駆け回る。最後の模擬戦では、偵察ヘリを観客の頭上で飛ばし、155ミリ榴弾砲の発射訓練の後、容赦なく空包を打ちながら、2両の戦車がじりじりグランドを進んでくる。「大きな音がしますので耳をふさいでください。お子さん連れの方はお子さんの耳をふさいでください。(本人はどうなるの?)」のアナウンス。泣き出す子どももいる中で、グランドの中程を過ぎた頃、突然戦車の中から小銃を持った隊員数名が出てきたのにはびっくり、自衛隊の本質を見せつけられたような気がしました。

戦車に試乗 9/29 守山駐屯地

戦車に試乗 9/29 守山駐屯地

模擬店や自衛隊の広報活動などと共に、今年も写真撮影とサバイバルコーナーが設けられていました。サバイバルコーナーではレンジャーを意識したロープ渡りや火おこし体験などがありました。カムフラージュの施された迷彩服も試着できるようになっていました。レンジャーは、敵の陣地内に潜入して偵察や襲撃を行う精鋭部隊。東京練馬で自衛隊を銃刀法違反で告発した種田和敏弁護士は、このような体験は児童の兵士化を禁じている国際条約に違反する疑いがあると指摘しています。

午後からの装備品展示は、種田弁護士らの告発があり3種類の銃は、展示だけで市民が触れられないよう柵がしてありました。市民の行動が自衛隊の動きを変えたことに感動しました。155ミリ榴弾砲は展示されていましたが、昨年までのように隊員が付いて扱い方を教えることはありません。しかし、パトリオットミサイルは操作のしかたを教えていました。これは、変だと思います。そして、今年の目玉は戦車への乗車体験。本来人が乗らない戦車の後ろに柵を作り10数人の市民を乗せて走る。整理券を求めて長蛇の列ができていました。 こんなことを体験した子どもたちが、自衛隊や戦争を「かっこいい」と思わないか心配です。