武器輸出禁止原則の撤廃と武器輸出自由化への転換の暴挙に抗議し、その撤回を求める

2014年4月7日 愛知県平和委員会

安倍政権は、憲法9条の具体化である武器輸出禁止3原則を撤廃し、事実上、武器輸出を原則自由化する「防衛装備移転3原則」なるものを閣議決定した。憲法の精神を踏みにじる重大な変更を、与党協議と閣議決定のみで強行するなど、断じて許すことはできない。
「防衛装備移転3原則」は、これまで政府が「憲法の精神にのっとり『武器』の輸出は慎む」としてきた立場を完全に投げ捨て、「平和貢献・国際協力の積極的な推進に資する場合」「我が国の安全保障に資する場合」に武器の輸出や共同開発・生産を可能にすることとした。まさに、武器輸出の原則解禁である。
そしてそれは、武器輸出禁止の対象を、国際約束と国連安保理決議の義務違反の場合と、国連安保理決議で措置をとる対象となっている「紛争当事国」だけに限定した、1967年に政府が表明した武器輸出3原則では、「紛争のおそれのある国」も禁止の対象に含まれていた。これを除くことによって、イスラエルや米国など武力紛争をくりかえしている国への輸出を可能にするものである。
このようなことが認められれば、日本が生産に関わり輸出される武器が、世界中で人命を奪い、紛争を激化させることになってしまう。「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争の解決の手段としては、永久にこれを放棄」するとし、一切の戦力を放棄した憲法9条の下で、許されるはずがない。
この動きの背景には、武器の共同開発などを求める米国政府の要求と共に、武器の開発・輸出で利益をあげようとする日本の財界・軍需産業の要求があることは明白である。日本が「死の商人」の道を歩もうとするものに他ならない。
この閣議決定を受け提出された「防衛生産・技術基盤戦略」の概要では、新型戦闘機F35の整備拠点の新設や無人機開発の国際的な技術協力、補助金を活用した防衛産業支援を盛り込まれ、「将来的にアジア太平洋地域の維持・整備拠点を設置する」として拠点は三菱重工業小牧南工場が検討されている。戦前戦後一貫して、日本最大の軍事産業地帯である東海地方は、軍事産業があったが故に大空襲を受け多くの市民の命が奪われていった。
憲法の精神を根本からじゅうりんするこのような道を断じて許すことはできない。それは、憲法を破壊して海外で戦争できる国をめざす集団的自衛権行使の動きと一体のものである。私たちは、今回の決定の撤回を求めると共に、この憲法破壊・「戦争する国づくり」の道を許さず、憲法が輝く日本の実現をめざしいっそう運動を強める決意を、ここに表明するものである。