鹿児島川内原発と徳山ダム

私の現役最後の職場は徳山ダムでした。徳山ダムの湖底には発掘調査済の20余ヶ所の遺跡が沈んでいます。そのうちのひとつに寺屋敷遺跡があります。地元の伝承で寺があったと伝えられていた場所で、発掘を進めるとなるほど平安時代の寺跡が見つかり、その下から縄文中期のたて穴住居跡が見つかり、約2万5千年前の火山灰がつもった跡が発見され、さらにその下から縄文時代前の旧石器時代の石器が出土しました。余談になりますが徳山ダムキャラクターふたつのうちのひとつが古代少年「石丸」とされた由縁です。

ところで、暴走安倍内閣は多数派国民の意思を無視し、原発再稼動を進めようとしており、その一番手が鹿児島県の川内原発と報道されています。近くに桜島火山(姶良―アエラーカルデラ)・霧島火山・阿蘇火山があり、九州電力は川内原発敷地内に火山噴火による火砕流が到達した痕跡があるとしています。火山専門家は超巨大噴火は日本ではおよそ1万年に1回の割合で発生しており、現在は確率的にはいつ起きても不思議ではないと指摘しています。しかし、火山の噴火サイクルは 長いから、川内原発稼働中に噴火はないという前提で再稼動に走っています。想定外として片付けているのです。

福島第一原発事故からの復興は遅々として進んでいません。専門家の津波の危険指摘に耳を貸さず、安全対策を怠り、事故発生を想定外とし、東電も政府も真摯に責任をとろうとしないからです。

 
火山対策″想定外″でよいのでしょうか。超巨大噴火による火砕流が原発を呑み込み爆発させたら、火山灰は単なる火山灰ではなく放射能を含む″死の灰″となるのです。

前述した約2万5千年前の火山灰、実はこれは姶良火山灰とされています。姶良カルデラ超巨大噴火は九州・四国・中国・近畿・そして中部にまで火山灰を降らせたのです。

想像してみて下さい。これが″死の灰″だったらどうなるのでしょうか。
川内原発は即刻廃炉しかないのではないでしょうか。(原)