提訴15周年記念総会―個人の賠償請求権は誰も奪うことはできない― 名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会 共同代表 高橋信

本会は、愛知民主会館にて提訴からちょうど15年3ヶ月に当たる6月1日、15周年記念総会を開催しました。本件について、昨年11月1日、韓国光州地方法院(地裁)は、原告らの請求額2億ウオンに対して4人の原告に、1億5千万ウオン=約1370万円(1人の遺族原告は、相続権を正当に評価されず8千万ウオン=約750万円)の賠償金を支払うよう被告三菱重工に命じました。三菱重工の控訴により現在高等法院(高裁)で審理中ですが、5月1日、28日の審理を経て、7月9日を結審日とすることが決まりました。2012年10月24日提訴以来、被告三菱重工は、今日まで目に余る悪辣な遅延策を弄してきましたが、いよいよこの夏にも高等法院判決が下される見込みです。大法院決定(2012/5/24)により差戻審として争われた三菱広島元徴用工原爆被害者裁判(13/7/30高等法院で勝訴)と日本製鐵元徴用工裁判(13/7/10高等法院で勝訴)の大法院上告審でも三菱重工と新日鉄住金は、国のあと押しを受けて遅延策を弄してきましたが、そう遅くない時期に被告に厳しい判決が出される見通しです。

総会 6/1 民主会館

総会 6/1 民主会館

問題は、原告らが韓国の法廷で勝利判決を手にしても、被告が国と一体になって、日韓請求権協定による「解決済み論」を盾にした判決不履行などの抵抗策にでることが十分に考えられます。今回の総会・交流会には、戦後補償裁判に関わる弁護士、支援団体が、全国(東京、名古屋、富山、京都、大阪、広島、長崎)から名古屋に総結集し、講演、レポート、討論を通じて、こうした事態をどう打開するか、運動の方向性―①被告企業と経済界、②政府(特に外務省)、③議員、④マスメディアへの働きかけをさらに強化する ―を確認し合いました。参加者は11都道府県から65名でした。