「国民安保法制懇」緊急集会『集団的自衛権行使を容認する閣議決定を徹底検証』  改憲論者も「安倍政権倒せ」

鼎談する演者 7/27 東別院ホール

鼎談する演者 7/27 東別院ホール

限定的に集団的自衛権を行使することは許される」として憲法解釈の変更を求める「提言」を提出した安倍首相の私的諮問機関である「安保法制懇」(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)に対して、「主権者である国民としてこの暴挙を黙認することは到底できない」(「設立宣言」)と「国民安保法制懇」が、憲法、国際法、安全保障などの分野の専門家、実務家12氏によって設立されました。

「全国行脚」とも言うべき「講演集会」の第一弾が、7月27日、名古屋・東別院ホールで行われました。会場いっぱいの450人が参加しました。

この日の「講演集会」には、伊藤真(法学館憲法研究所所長・弁護士)、柳澤協二(元防衛省防衛研究所所長・元内閣官房副長官補)、愛敬浩二(名古屋大学教授)、小林節(慶応大学名誉教授・弁護士)の4氏が、それぞれの立場から「集団的自衛権行使容認」の暴挙を行った安倍政権について語りました。

憲法上ギリギリ認められる行動範囲を研究してきたと言う柳澤氏は、安倍政権の現状を「暴走というより違走」と断じた上で、「集団的自衛権のウソ」を明らかにします。「友だちを守らなくていいのか?」の安倍発言に、「友だちなら危険を避けるよう警告するべき」と論破しました。

改憲論者として名を馳せる小林氏は、「イラク戦争に日本は参加しなかったというが、日本の金で戦争ができた」と歯に衣着せぬもの言いよう。「70年も日本が戦争しなかったのは憲法があったから。そこだけは護憲派と一致する」とも。「正統派」改憲論者、「気骨ある」改憲論者と認識を改めなければなりますまいか。「安倍政権を倒せば全てはケリがつく」少々乱暴ですがこれが小林節(せつ)ならぬ小林節(ぶし)と言うのでしょうか。

愛敬氏は、自衛隊の存在を合理化するための憲法解釈に苦慮してきたこれまでの政府の姿勢をふり返り、安倍政権の「集団的自衛権行使容認」は憲法9条との整合性もなく「論的に矛盾している」と批判しました。伊藤氏は、「自衛権」ということばのまやかしを指摘、「実は他国防衛」と本質を突きます。そして、「あせらず、あわてず、あきらめず、主体的に行動を続けることが大切」と訴えました。柳澤氏も「自己実現」と表現して、「安倍首相の集団的自衛権がそうなら、それを阻止するというのが私たちの自己実現」と強調します。

「安倍包囲網」が徐々に狭まりつつあります。敗北感や無力感を一掃して、安倍暴走にたちむかう時。