来年は、中学教科書採択の年! 「戦争を肯定する教科書」の採択 ~2015年「戦争を肯定する教科書」の採択を許さない愛知県民集会~

10月5日午後、東別院会館において「2015年“戦争を肯定する教科書”の採択を許さない愛知県民集会」が開催されました。参加者は82名と会場が満杯となり、中日新聞・朝日新聞・赤旗の記者も取材しており、関心の高さに私たち主催者が驚きました。

10/5 名古屋市・東別院会館

10/5 名古屋市・東別院会館

講演は、「安倍政権の教科書政策の危険性」と題して、教科書ネット21事務局長の俵義文さんを講師に行われました。俵さんは、かつて自らも教科書会社の社員であり、出版労連の役員として家永裁判の支援活動を中心的に担ってきた方です。講演は、朝日新聞バッシングは仕組まれたものであり、高まる安倍政権への批判を抑制するものという指摘からはじまりました。講演で、私の印象に残った点は教科書検定制度は先進国では少数派であり、ドイツの検定はファシズムを肯定する記述をチェックすることで、日本とは真逆だと感じました。逆に恐ろしく感じたことは、検定の審査要項が非公開であり、文科省が「教育基本法の目標に照らして重大な欠陥がある」と判断すれば、「一発不合格」にできることです。しかも、その判断を情報公開で追求しても、特定秘密保護法で隠ぺいでき、文科省の恣意的な判断で教科書会社を「自主規制」に追い込むことができるのです。

講演後の質疑応答も活発に行われました。その中で、俵さんが「来年の中学教科書採択では、やはり育鵬社・自由社の教科書採択が焦点化する。確かに、教育委員会制度改悪のもとでも、教科書採択は教育委員会の権限となっているが、政治が介入してきて、育鵬社・自由社の教科書採択を押し付けてくる危険がある。市民運動の力で、地域からこの介入を排除するとりくみが重要である。」と述べられました。

最後に、2015年「戦争を肯定する教科書」の採択を許さない実行委員会を結成しました。これは、来年の中学教科書採択では、愛知県でも名古屋市をはじめ育鵬社・自由社の教科書が採択される危険が高まっており、これに対抗することを目的にしています。各市町村への要請行動や、教科書見本へのパブリックコメントなど平和委員会のみなさんにもぜひ協力をお願いします。