2015年、戦後・被爆70年を迎えて

理事長 高橋 信

はじめに―総選挙結果に二つの歓喜、一つの憂い
第一の喜びは、沖縄県小選挙区で自公勢力4人を全員追い落としたことです。1区から4区まで「建白書」派が統一して勝利したことは、稲嶺名護市長勝利、翁長沖縄県知事勝利に続き、辺野古への基地移設=基地新設を性懲りなく強行しようとする安倍内閣への三発目の痛打です。沖縄県は、見事に2014年を締めくくりました。
第二の喜びは、平和委員会の活動目標にもっとも近い政党、日本共産党が躍進したことです。なかでも沖縄一区の当選は、選挙での一点共闘の勝利です。また、東海比例区では2議席を獲得しました。愛知出身・在住の本村伸子さんの議席獲得は、私たちが対県、対市、対基地などと交渉するとき、抜群の力を発揮するでしょう。想像するだけで胸が“わくわく”してきます。勇気百倍です。
さて、一つの憂いです。なんだかんだと言っても、沖縄裏切り四人組が全国区では全員当選したことを含めて、安倍内閣が衆議院で3分の2を確保したことです。13年12月6日、数にものを言わせて自公勢力が秘密保護法を強行採決したことを忘れるわけにはいきません。安倍内閣は、その気になればなんでもできるんだという「味をしめた」のです。

今年の最大の課題―集団的自衛権行使関連法案阻止のたたかい
その安倍内閣は、次期通常国会で、集団的自衛権行使容認の法制化を強行し、憲法9条改悪への地ならしに全力をあげて取り組んでくることは間違いありません。私たちのなすべきことは明白です。第一は、集団的自衛権の法制化について周辺事態法、有事三法・関連7法、自衛隊法、PKO法、安全保障基本法などを学び、その危険性をしっかり腹に落とし、年明け早々から分かり易く市民に宣伝していくことです。第二は、統一地方選挙で「防衛・安全保障問題は国の専権事項」という争点外しの策動を打ち破り、思い切り争点化し、その危険性を国民に知らせることです。集団的自衛権の行使と自民党憲法改正草案が意図する第9章「緊急事態」条項は、小牧基地、名古屋港はじめ、丸ごと自治体を戦争に巻き込むものです。統一地方選挙で、アベノミクスがいかに大企業一辺倒か、国民いのちとくらしを奪うものかを、徹底的に暴くととともに、憲法改悪と集団的自衛権行使を許すか、否かを争点化し、自公勢力を地域から大きく追い落としていかなければなりません。
第三に、私たちはその勢いを通常国会後半の5月から6月のたたかいに総結集することです。安倍内閣は、多数にものを言わせ、その時期に集団的自衛権関連の法案を強行する可能性があります。安倍内閣の「切れ目のない」策動と「数の横暴」に対して鉄槌を下すべく、空前の大運動を構築しましょう。

最後に―元気の源はしっかりした歴史認識
20世紀は、虐殺と戦争の世紀と言われ、虐殺の被害者数は1億人、戦争の死者は8千万人とも言われます。侵略は現地の人間を殺し、土地を奪っていくことです。731部隊研究で第一人者の畏友M氏は「歴史学とは死者との対話」と定義づけています。私流に換言すれば「歴史認識とは死者との対話」だと思います。歴史認識とはリアルに戦争=大量殺戮を知るいとなみでもあります。本物を知ることから怒り、悲しみが湧き出て、その先に希望が見えてきます。生きるとは、真実を胸に刻むことです。2015年を逆転の足がかりにする年としましょう。そのポイントは、元気で大きな平和委員会が市民の身近にあることです。

(理事長挨拶)