あいち被爆者支援ネット連続講座 ~核兵器は地球のすべての市民の問題~

あいち被爆者支援ネットは、被爆70年の今年、核兵器廃絶への転換の年にしようと、連続講座を行います。
第1回目は、「ノーモア・ヒバクシャ訴訟のたたかいの意義」をテーマに、同訴訟近畿弁護団の藤原精吾団長に講演をして頂きました。

2003年から始まった原爆症認定集団訴訟は、近畿訴訟の9名全員勝訴を皮切りに、連戦連勝の結果を勝ち取り、原因確率論を基に機械的に切り捨てていた認定制度を改めさせ、内閣総理大臣との確認書を締結させる成果を生み出しました。
ところが、厚労省の不誠実な対応により、その成果が踏みにじられている現状があり、やむにやまれず高齢の被爆者が裁判を再び起こさざるを得なくなっています。
それは、
①厚労省の官僚の圧力が強く、政治家が力を発揮できていないこと、
②福祉予算の引き締めをはかる財務省の圧力があること、
③福島の原発被災者への補償問題への波及や原発再稼働への考慮があること、
④核兵器による被害を小さくし、アメリカの核抑止政策への追随があること、
以上の4点の理由があると藤原弁護士は整理されました。

ノーモア・ヒバクシャ訴訟は、直接的には被爆者の原爆症認定の獲得が目的ですが、法廷のたたかいを通じて、社会へ大きくアピールし、発信をし、そしてマスコミに取り上げてもらい報道させることができます。
また、裁判官も当事者です。
すべての地球の市民の問題であることを、被爆者が立ち上がって、被爆の実相を明らかにしている重要な意義があります。