ブルーインパルス展示飛行 自治体の反対を押し切り再び強行

3月13日(日)小牧基地オープンベースで、ブルーインパルスの展示飛行が強い反対の声を無視して強行されました。6機編隊を組む部隊の3号機のトラブルに伴い、展示飛行は大幅に遅れて開始されました。伊藤太・春日井市長は「地域住民の理解を得ないまま実施したことは非常に残念だ」とコメント、地元市民や自治体から怒りの声があがっています。

展示飛行を前に抗議行動を行い30人が「危険なブルーインパルスの展示飛行を許さない」などのプラカードを掲げて、正門前に立ちました。唾を吐かれるなどの嫌がらせもありましたが、地元の小中学生からはプラカードを見て「そうだよね」との共感も寄せられました。この行動は、CBCテレビと中日新聞から報道されるなど注目されるとりくみとなりました。

オープンベースに先立ち3月7日、平和委員会は安保破棄実行委員会とともに、飛行決定に抗議する申し入れを小牧基地に行いました。次期渉外室長(4月から)と基地対策専門官が対応しました。

メ~テレで報道 3/7 小牧基地申入れ

メ~テレで報道 3/7 小牧基地申入れ

自治体・地元区長などが強い反対の声をあげる中、強行することについて室長は、「今回のオープンベースは災害対策も掲げており、東北地方の復興のシンボルとして飛ばす。これが理由です」と説明。また、春日井市上空の展示飛行を行わず、名古屋市、清須市、北名古屋市、小牧市、豊山町を旋回する飛行を行うこと。飛行する自治体へ説明を行った。などがわかりました。

要請団は、防災・災害対処の主体は、自治体が行うものであり、地元自治体が反対しているブルーインパルスの飛行は理由になっていないことや、地元住民の声に耳を傾けるべきだと問うと、「たしかに防災の主体は自治体です」と回答しましたが、展示飛行への態度は改めることはありませんでした。

この間のとりくみで問題となったのは2点です。1つは、基地の自治体への認識です。2市1町は揃って反対の意思をしているにもかかわらず基地渉外室長(次期)は、ある自治体(春日井市以外)が、おおむね賛同したとの認識を示しており、新聞の記事も誤報だとの認識も示しています。2つめは、愛知県の態度です。愛知県は、「地元の意向を尊重する」との立場を示しつつも、空港管理者の立場から小牧基地に反対の意思を示すことはありませんでした。これらの問題が今後の課題として浮き彫りとなっています。

ブルーインパルス・トラブル

3月13日航空祭当日、12時半頃出発のセレモニーが終わろうとしているにもかかわらず、ブルーインパルスが出発しません。3番機が機体のトラブルということで予備機を使って展示飛行を行いました。そのため1科目分(グランド・クロス)を減らしての展示飛行となり25分間6種目が行われました。トラブルはすぐに解決できず、当日小牧基地を離陸予定でしたが、故障の影響か飛び立つ事はできませんでした。オープンベースは、6万6千人で、昨年の7万3千人を下回りました。

ブルーインパルスの飛行経路

ブルーインパルスの飛行経路