被爆者の思いを継承するききプロ再開

金本さん(左)から聞き撮る 11/20

11月20日、被爆体験聴き撮りプロジェクト(ききプロ)が再開1回目の聴き撮りを行いました。今回は、民主会館の第4会議室にて、愛友会副理事長の金本弘さんにお話を伺いました。

 被爆当時、生後9か月だった金本さんは、お姉さん(当時15才)に連れられ広島の己斐駅で切符を買おうとしていて原爆にあいました。駅舎はつぶれ、お姉さんが気が付いた時には金本さんは呼吸が止まっていて、近くにいた男性が防火用水に金本さんを頭から入れ、口から土やガラスを取り出し、ほほを叩いたら意識を取り戻したそうです。

 もちろん、当時の記憶はないので後からお姉さんに聞いた話として語ってくれました。金本さんは「(原爆の事を)知れば知るほど、自分がその中にいた事を想像する。姉が15才でその中にいたと考えるだけでつらい」と言葉に詰まりながら話してくれました。

また、若いころは自分が被爆者だという意識はなかったことにふれ、1.5キロの距離で被爆した当時12才の姉が左半身にケロイドがあり、半そでやスカート、水着など肌が見える服を着ているのを見たことがなかった。これだけ被爆で苦しんでいる人が身内にいるのに自分は全然考えてこなかった、それが一番悔しいと、語られました。

県内に被爆者手帳を持っている被爆者は約2000名います。しかし、毎年100名近い方が亡くなっているのが現状です。被爆体験を聞き撮れる機会はどんどん少なくなってきます。被爆の実相を知り、後世に伝えていくためにも、多くの地域で被爆体験を聞く機会を持つことが大切になっています。