12・8不戦のつどい 米朝危機、対話にこそ未来が
太平洋戦争開始から76年目の12月8日、二度と戦争をくり返さない決意を固め合う「12・8不戦のつどい」が、フォトジャーナリストの伊藤孝司氏を講師にイーブルなごやホールで90人が参加して行われました。「米朝危機と日本の役割」と題して講演した伊藤氏は、200回近い海外取材のうち朝鮮に37回、韓国に45回訪れています。朝鮮には今年2回行っていて、その時の写真を映しながら話を進めました。
「朝鮮とアメリカのチキンレース」―伊藤氏がそう評する両国の危険な状況、アメリカのある筋が在韓米人家族の国外退避を求める中にあって、映し出される映像はピョンヤンやソウルののどかな街の風景。伊藤氏は「朝鮮の市民生活は以前より向上している」と語ります。経済封鎖の中でもわずかながら経済が成長している大本に、国連加盟193カ国中162カ国と国交が保たれていることがあると。
伊藤氏は、朝鮮側の言い分として「アメリカの圧力に対する抑止力としての核兵器・ミサイルの開発」をあげ、「交渉の時期が来たと対話を模索している」と言います。そんな状況の中、最新鋭の戦闘機・軍艦を動員しての軍事境界線ギリギリにおける米韓軍事演習、伊藤氏は「どちらが挑発しているのだ」と憤ります。「休戦協定を平和協定に」と望む朝鮮に対して、対話による解決の可能性は十分にあるようです。伊藤氏は、「日本政府も圧力一辺倒でなく、民間交流も含めた対話が重要」と強調します。