第四回瑞穂区教育問題懇談会

教科書問題を考える

6月16日、瑞穂区平和委員会が第四回教育問題懇談会を開催しました。文教地域に位置する平和委員会として、教育にかかわる問題を取り上げてきました。今年は、道徳の教科化の流れの中で中学校の道徳教科書の採択時期にあたり、端的に“中学校道徳教科書展示会で「何を書けばよいか」”と題した懇談会としました。

前半は、教科書問題に取り組んでこられた元名古屋市立中学校社会科教員の三浦明夫さんにお話しいただきました。三浦さんは、A4換算で約160ページにもなりそうな資料を、プロジェクター投影も駆使しながら、熱のこもったお話をいただきました。

一つの焦点は、新規参入の「日本教科書」問題です。同社は、侵略戦争を賛美する育鵬社の歴史・公民教科書と深いかかわりのある「日本教育再生委機構」の理事長である八木秀次麗澤大学教授が代表取締役となって2016年4月に設立された会社です。八木氏は安倍首相の政策ブレーンといわれ、「道徳の教科化」などを提言した「日本教育再生実行会議」の有識者委員をつとめている人物です。又この「日本教科書」のものは、検定合格8社中飛び抜けて誤字脱字の指摘を含めた検定意見が多く、完成度が極めて低いものです。このほか、8社中5社が生徒の自己評価欄を設けるなど、本来ないはずの「正解」を意識させ道徳規範や価値観の押し付けになりかねない傾向があります。参加者8名は、教科書展示会参加に向けた助言もいただきながら懇談をおこないました。