象徴天皇制と戦争放棄 学習会を開催

3月31日、「象徴天皇制と戦争放棄~多様な価値観の共存する社会を目指して」をテーマに内田樹氏、白井聡氏の対談集会がウィル愛知で開催されました。

内田氏は、元号が変わろうとしているいま、西暦の問題に触れ、キリスト教でいうイエスキリストの生まれたとされる翌年が元年とする、キリスト教の思想である宗教的考えであることを紹介しながら、安倍政権が元号の問題にも介入しようとしているのは思い上がりではないか?と批判しました。白井氏は、昭和天皇の死去に伴い新元号に至るプロセスが30年経過した今もなお明らかにされずにいることは「ある意味独裁ではないか?」と問いかけました。そして、首相会見を予定していることに触れ「政治家の立場で、元号を通じて自分の考えをのせようと考えているのか、思い上がりもひどい。国家、国民を私物化していることが明らかになっていくのではないか」と話しました。

2人の対談は憲法9条にも話題がいき、内田氏は、憲法9条と現実社会(自衛隊の存在)には齟齬があるが、「世界の中で齟齬があるのは米国です」と紹介。合衆国憲法には、建国の理念から常備軍を認めていない規定を紹介しました。白井氏は、平和憲法の出発点は戦争の多くの犠牲と引き換えに平和主義が規定されたが、もう一つの側面として、天皇責任を回避し権力者の生き残りのために「平和主義」を訴え、そこにマッカーサー・米国が乗っかった側面もあると指摘。「この内容が終わろうとしているのが『平成』ではないか」と問いかけました。最後に主催者より、「この数年間に、秘密保護法、安保法制、共謀罪法などの戦時法制が整備されているいま、主権者一人ひとりの意思表示が大切になってきている。選挙もその一つで意思を示していこうと呼びかけました。