安保法制違憲訴訟 伝家の宝刀を抜き違憲判決を

8年前に原告221名、弁護人41名で始められた安保法制違憲訴訟愛知は、5月15日、控訴審の最終弁論が行われて結審しました。全国で25件の安保法制違憲訴訟が起こされていますが、高裁レベルでは最後となります。これまでのところ、憲法判断に触れたのは「明白に違憲とは言えない」とした仙台高裁のみです。
最終弁論の冒頭、中谷弁護士は、「トランプ大統領のやっていることは戦後国際法秩序の破壊であるが、日本政府はそれを批判せず、高市首相は訪米して『世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ』と言って抱きついている。しかし、日本がイラン侵略戦争への加担、ホルムズ海峡への自衛隊派遣をせずにすんでいるのは、憲法9条の規範力ではないのか」とたたみかけました。そして「安保法制法は、立憲主義に反して、国家権力が、憲法外、あるいは憲法上の文言を抽象的に利用しながら、憲法9条を無視する法律を制定したというのがその本質である」と断じました。
続いて3人の弁護士が控訴審での愛敬意見書と小西証言、7人の尋問をまとめて主張し、最後に内河弁護士が結びの討論で次のように述べました。「多くの国民は、わが国の自衛隊が米国に追従し、戦争への道をひた走る現状を目の前にして、ほぼ100年前日本の軍隊がまっしぐらに『戦争への道』をひた走った歴史的事実を想起しているはずである。違憲の安保法制に基づき多くの憲法違反の政策がくり返され、高市首相は憲法9条の存在を無視した言動に終始している。行政の長の憲法違反を国会も阻止できなければ、それを阻止し、正すのは司法権による違憲立法審査権しかない。伝家の宝刀を抜き、裁判官としての名誉ある使命を果たしてほしい。」
判決言い渡しが8月5日(水)11時と通知されると、傍聴席では「そんなに早いなんて、本気で考えるつもりはあるのか」「原爆の日の前日とは挑戦的だ」などの声が聞かれました。
その後、桜華会館で行われた報告集会では、もうすぐ88歳になるという内河弁護士が討論をふり返ってこう話しました。「民主国家は論理で進んでいるはずだが、今はめちゃめちゃで、理性的な社会ではなくなっている。政治家は言いたいこと言ってやりたいことやって、間違っても謝らない。こういうところで正義の戦いをするのは難しい。もっと裁判官がしっかりしてくれないと。準備書面にはないけれど、裁判官には『あんた、安保法制が違憲だと知っているだろ。知っているなら違憲と言えよ』と言ってやりたかった。」

