12・8不戦のつどい 子どもの自立をうながす教育が必要
12月8日、名古屋市教育館で「アジア・太平洋戦争73年 2014・12・8不戦のつどい~子どもたちを戦場に送らない~」が開催され、名古屋大学教授の植田健男氏が「安倍内閣の『教育改革』のねらい」をテーマに講演を行いました。
植田氏は、戦後の教育改革はどの子もできるようになるために行われたが、朝鮮戦争後の1960年代以降は、経済政策が学校教育となり、成績で振り分けられる能力主義が導入された。しかし、かつては全員正規雇用、終身雇用が前提であったので、経済成長が教育の拡大につながり、教育により国民全体が豊かになっていった。だが、90年代以降、産業界は社会のグローバル化に対応するため、全員を正規雇用せず、産業を動かすのはトップのエリート3割で充分とした。その結果非正規雇用が増加し、国民の経済格差が拡大した。この経済政策を推し進めるために、教育はトップで活躍する3割の一流エリートを養成するために予算を使い、残り7割には最低の教育で充分という、教育の格差配分を行なうこと、底辺の人たちには格差を受けいれさせるための教育を行うことが、安倍「教育改革」のねらいであると説明されました。最後にこの安倍「教育改革」に対して、教育の原点は、「子ども全員を社会でまっとうな人間に育て上げること」であり、センター試験対策の結果、与えられた事を覚えるだけしかできない子どもにするのでなく、全ての子どもの自立をうながす教育をするための、努力が必要だと訴えました。