陸上自衛隊の南スーダン派兵に中止を求める請願書

愛知県平和委員会は、安保破棄実行委員会と共に申し入れを行い、「陸上自衛隊の南スーダン派兵に中止を求める請願書」を防衛大臣及び陸上自衛隊第10師団長へ提出した。
提出した請願書は以下の通り。

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2015年11月13日

防衛大臣        中谷 元 殿
陸上自衛隊第10師団長  山本 頼人殿

安保破棄愛知県実行委員会 代表委員 榑松佐一
愛知県平和委員会     理事長  高橋 信
名古屋市東区葵1-22-26民主会館4階

陸上自衛隊の南スーダン派兵に中止を求める請願書

マスコミ報道では、中部方面隊第10師団第35普通科連隊を中心とする部隊約350人が南スーダンへPKO派兵するとされています。派兵期間は6ヶ月で戦争法施行時に現地に駐留する部隊となります。
戦争法では、PKO法を変更し、武器使用も伴う治安維持活動や「駆けつけ警護」も行えるようにしています。このようなことが「戦争放棄、戦力不保持」を誓い、 武力の行使・威嚇も交戦権も禁じた憲法 9 条のもとで許されないことは明白です。
そもそも憲法9条の下で、従来の政府見解でも海外での武力行使は許されていません。「駆けつけ警護」は、他国軍や住民保護の任務遂行のために武器使用=武力行使を認めるものであり、憲法違反です。いったんこれを認めれば、際限のない海外での武力行使が可能となります。
また、南スーダンは事実上、紛争状態が続いており駆けつけ警護任務付与は、実際に紛争に巻き込まれ、他国民を殺傷する危険が極めて高いといえます。そもそも、PKO活動の中心は、以前のような中立的な「停戦監視」から「住民保護」に変わってきています。PKO部隊自らが「紛争当事者」となる可能性を排除していません。実際、南スーダンでは、住民が反政府武装勢力の襲撃を受ける事件が相次いでいます。2014年4月には、住民が多数避難するPKO部隊の宿営地を武装勢力が襲撃し、住民50人近くが死亡、応戦したインド軍兵士2人がけがを負っています。このようなことを踏まえれば、「PKO参加5原則の順守」はもとより、武器使用などを認める新5原則から言っても現在の南スーダンの紛争、内戦状態は合致しません。自衛隊員の命を脅かす南スーダン派兵は、絶対反対です。
またこのような場所で、「駆けつけ警護」の任務が付与されれば、自衛隊を一方の紛争当事者とし、戦闘の泥沼に巻き込まれていく危険があります。それは非武装・中立の立場で、紛争の平和的解決に貢献するこれまでの日本の立場を失わせるものであり、国際貢献にもなりません。このような憲法に反する「駆けつけ警護」任務付与に反対します。
私たちは、隊員のみなさんが海外で殺し、殺されることを望んでいません。また、人を殺すこと、他国の市民の命を奪うことも望んでいません。
以上の立場から憲法16条請願権に基づき自衛隊の南スーダン派兵を中止するよう請願します。