12・8不戦のつどい―福沢諭吉論 ~戦前のレジームへの回帰~
12月8日アジア太平洋戦争開戦の日として「不戦のつどい」を名古屋市公会堂4階ホールで行い300人の市民が集いました。
今年は、安川寿之輔名古屋大学名誉教授、杉田聡帯広畜産大学教授、「美味しんぼ」原作者の雁屋哲氏を迎えて、「『福沢の一万円札からの引退を求める』三者合同講演会」を行いました。
安川氏は、福沢が発行した「時事新報」の主張から、福沢のアジア蔑視、下層民衆差別の思想を明らかにします。
また、「富国強兵」ならぬ「強兵富国」を唱えて、アジア侵略を推奨するのです。
杉田氏は、「東洋の列国にして文明の中心となり他の魁となす…アジア東方の責任はわが責任なり」(時事小言)を紹介し、福沢の日本帝国主義のイデオロギーを明らかにします。
最後に講演を行った雁屋氏は、福沢と安倍首相の共通点について語りました。
「一身独立して一国独立する」―雁屋氏は、福沢の言う「我が身を捨てて国のために尽くす報国の大義」こそが、安倍首相が望む「強い国」と指弾します。
雁屋氏は、「戦後レジームからの脱却」が「戦前のレジームへの回帰」であると述べて、日本の破滅への道に警告を発しました。
私たちがいかに長い間間違った認識であったか、「目からウロコ」の思いがします。