元アメリカ兵に聞く戦争のリアル ベテランズフォーピース講演会
愛知県平和委員会も加わるベテランズフォーピース講演会実行委員会は10月22日(月)、ウィルあいちで講演会を開催しました。
講演会は、昨年から2回目となり、全国各地で13日から28日にかけて、大小16ヶ所で開催されました。
ベテランズフォーピースは、退役軍人、軍人の家族などで構成される国際組織の団体です。核兵器廃絶、米国政府の他国政府への介入阻止、戦争の傷を癒すことに専念しています。ネットワークは、米国および海外全体で120以上の支部で構成されています。
今回の講演者は2名で、元米陸軍で2003年からイラク派兵された経験を持つネイサン・ルイス氏と、1970年に衛生医としてベトナム戦争に派兵されたマイク・ヘイスティ氏です。
ネイサン・ルイスさん
ルイス氏は現在30代の青年です。中学校に軍のリクルーターが来て「大学学費が無料で行ける」と18歳で陸軍に入隊。トレーニング2日目に、9・11テロが起こり「アメリカ社会が一変した」と話します。
クラスター爆弾を砲撃する部隊に配置され、部隊がイラクに配置された時には、初期の攻撃で橋、道、施設、水道など破壊され、イラクは米国の脅威ではなかったことが分かった。しかし現在も攻撃を続けている非情な実態を知ってほしい。敵対勢力の武器は、仏、米、英の武器製品が利用されており、おかしな状況が作られていた。テロを恐れ、軍用車を運転するとき、こどもやお年寄りが通行しても止まってはいけないとの上官命令があることにより事故は激増した。スンニ派、シーア派の違いも不明な兵士がほとんどなのにも関わらず、人種差別は教育されるという非情な実態が軍隊にあったと話します。
ルイス氏は、米国は現在9ヵ国と戦争しているが私たちは、戦争を終わらせるための義務がある。日本はその責任の一端を担っていると訴えました。
マイク・ヘイスティさん
マイク氏は、ベトナム戦争でのソンミ村虐殺事件(1968年米軍が504名のソンミ村の住民を虐殺)の実態を紹介しつつ、「ソンミは特出していなかった。毎日のように同じようなことが繰り返されていた」と戦場で人間が否定される問題を告発しました。
米国で反戦世論と運動が広がった04年、05年の影響を受けて、兵士の戦争反対の行動が広がった。08年には、メリーランド州で4日間40人の元兵士が戦場の体験を証言しました。聞くに堪えない戦場の事実は、市民の世論を大きく変えていきました。
日本国憲法9条が改憲されれば、よその国の罪のない市民を殺すことになります。かつて、ベトナム戦争では韓国軍が米国の指揮下で虐殺を行った。日本は、その道を進むのか?日本と米国市民が手に手をとって運動することが大切だと訴えました。