「協議決裂」を受けて 勤労挺身隊「支援する会」臨時総会を開催
名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会は、8月3日(金)民主会館で臨時総会を開催しました。「支援する会」は、三菱重工が2010年7月14日、「話し合い」に応じるとの回答を寄せてきたことを受けて、同年11月8日から本年7月6日まで16回の協議を重ねてきました。第1回協議開始に先立って同日、原告ハルモニを代表して梁錦徳さんと金性珠さんが、当時被害と戦後60数年にわたる被害事実を述べ早期解決を訴えました。
三菱は、挨拶で「一企業として抱える様々な制約がある中で、それでも実施可能な何らかの解決策を見出せるのであればということで、」「我々メンバー一同は、この〝話し合い〟の場が建設的かつ前向きなものとなるよう誠心誠意取り組む所存であり、…お互いに知恵を出し合い、立場、意見を尊重した文字通り〝話し合い〟を進めて参りたいと考えております」と所信を述べました。これに対して、ハルモニ支援団は基本要求として、①名古屋地裁・高裁が認めた事実を認定すること、②謝罪、③賠償・解決金、④記念碑設置などを提出しました。
三菱の本音は被害者にはびた一文出せない
第6回協議(2011年4月22日)で三菱は、「最高裁判所の判決が存在することを所与の前提として『個別に補償を行った』と受け取られるような解決方法は困難であり、また、『裁判で争ってきた、慰謝料、未払賃金、支援団の活動費用などを前提とした金銭の支払いを行う』ことは困難であると考えております。お金の流れが当社から直接個人に紐付くような方法は当社としては取りようがありません。」との回答をしてきました。その後、未払い賃金を含む裁判所が認定した事実については基本的に認めましたが、第15回協議(5月11日)で、日韓請求権協定と最高裁判決を盾に、個々人に賠償を支払う責任はないとして、被害者救済とまったく無関係の「現代の韓国の若い世代の方々への支援をすすめてまいりたい」「公益団体を通じて奨学金の贈呈を考えております」との最後通牒とも思われる回答をしてきました。ハルモニ支援団は、これに対して第16回協議(7月6日)で、三菱が受け容れやすい①日韓の不幸な過去の歴史を忘れないための事業、②日韓の平和な未来を築くために青少年の交流事業を内容とする「財団基金骨子」案を提示しましたが、被害者個人に渡ることを理由に三菱は拒否しました。
決裂判断
ハルモニ支援団は、①三菱が団体基金骨子をも拒否し、あくまで被害者個人に支払われる解決案を拒否し続けていること、②日韓請求権協定によって個人の請求権が消滅していないとした韓国大法院判決(5月24日)をも遺憾であるとしか受け止めていないこと、③2年間もの時間が経過したこと、この3点から決裂を通告しました。
今後の運動課題
韓国の裁判は大法院判決を糧にできること、事実認定は日本の裁判で確定していることなどにより、多くの時間を要しないこと、ハルモニに時間は残されていないことを念頭に、以下の3点を運動課題として確認しました。
①金曜行動を再開する
②韓国の裁判、三菱不買運動などの韓国の運動に連帯する
③戦後補償立法化を含む国に対する要請行動を強める
会員の皆さんにいっそうのご支援をお願いします。
同会共同代表 高橋信