あいち・平和のための戦争展に1750人 ~名古屋空襲被弾ピアノ演奏会、盛況に行われる~

あいち・平和のための戦争展が、8月11日~14日まで名古屋市公会堂4階ホールで開催され、延べ1750人の市民が訪れました。今年は、1992年以来、22回目の開催となりました。
初日には、オープニング企画として「お帰りなさい空襲ピアノ68年を越えて甦る音色」と題して、名古屋空襲で被弾したピアノの演奏会が行われ、金城学院中学生有志のみなさんが演奏と合唱を行いました。この企画は、被爆ピアノを所有し演奏会をおこなっている方が、名古屋空襲で被弾したピアノを所有していたことから実現につながったもので名古屋での演奏会ははじめてです。

被弾ピアノの演奏会 8/11 名古屋市公会堂

被弾ピアノの演奏会 8/11 名古屋市公会堂

金城学院中学のみなさんは修学旅行で被爆地広島を訪問し、そのとき被爆ピアノに出会い今回の参加となりました。中学生のみなさんが奏でる歌は、戦争展の会場に響き渡り、戦争の加害と被害を展示する会場は時に重苦しい雰囲気を醸し出す中で、明るい雰囲気となりました。また平和への願いを想う凛とした中学生の姿に、元気をもらいました。
ピースステージでは、戦時中の体験を引き継いでいこうと「戦争体験を語りつぐ会」が行われ、西区のお坊さん、学童疎開体験者、平和遺族会会員などが体験を語りました。セイブイラクチルドレン名古屋は、「イラク戦争10年」と題してイラク人医師による講演会が行われ、高遠菜穂子さんが飛び入り参加するなど注目を集めました。半田空襲と戦争を記録する会は、「新美南吉と戦争」と題して、平和と反戦の作品を出していたもう一つの「南吉の顔」を紹介しました。これらの企画をはじめ、多彩な企画に取り組まれました。
平和委員会は、「自衛隊と安保」と題した展示をし、写真やパネルなども活用しながら愛知の基地の実態を告発しました。展示期間中も会員拡大を重視し、会員1人、新聞読者1名を拡大しました。  (矢野)

~感想など~

◆多くの人と懇談(理事 大久保敏治)◆
平和委員会の展示はいつも軍門研で議論するのですが今年は三浦副理事長にお任せでした、以前に比べて中学生や高校生の参加が少ないように思いましたが来るとパンフ「新しい憲法のはなし」と小牧基地の写真を示し「これは何なんでしょうか」と問いかけました。
豊田の自衛隊行軍訓練に対する抗議行動の写真も示し、平和委員会はこんなこともやっていますと説明し「あなたは平和委員会の会員ですか」とたずね、違うと言えば見本の新聞を渡し入会の検討をお願いしました。コーヒーいかがですかと誘い何人かはテーブルで懇談出来ました。例年より「新しい憲法のはなし」などのパンフが売れ、ブルーインパルスの署名も集まりました。
隣の重工産業労組は出来上がったばかりのパンフレット「愛知の軍需産業」を展示しました。春くらいから県平和委員会の軍事問題研究会で論議し戦争展に間に合わせたものです。

 

◆日韓高校生の交流で未来志向の発言目立つ(青年学生部 池田幹人)◆
今回はメインテーマを「平和憲法を変えてもいいのですか?」として、戦争体験と戦跡、空襲と原爆投下、日本の侵略・植民地・慰安婦、沖縄の現状、平和憲法のテーマ毎に団体の展示が行われていました。今回特に気になったのは橋下市長の慰安婦発言がありましたが、慰安婦問題の展示では当時の状況を絵で描いてあり、実際の状況を想像し感じるとることができました。ここ数年は毎年参加していますが、ピースステージも盛り上がっていました。今年は日韓の高校生による青年交流企画が特に興味深く、日韓双方の学生の思いや考え、お互いの国への感情などは率直なもので、マスコミで取り上げられるような過去に偏ったものではなく、未来志向の発言が目立ちました。
全体としてはテーマの通り平和憲法が変えられそうな状況の中での今回の戦争展は、過去の戦争の歴史をしっかりと捉えた上で、今後どうしていくべきなのかを考えていく貴重な機会となりました。