2013平和を語る八月名古屋集会 ~憲法21条とメディア  テレビは私たちの願いに応えているか~

2013平和を語る八月名古屋集会(略称=8・15名古屋集会)は、敗戦の日8月15日午後名古屋市教育館講堂で開かれ、猛暑の中、市民ら85人が参加しました。集会の主催者は日本ジャーナリスト会議東海、県平和委員会など9団体で構成する実行委員会です。主催者を代表して名古屋市立高等学校教員組合の小島俊樹委員長が開会あいさつを行い、続いて津田正夫さん(元HNKディレクター、前立命館大学教授)が「憲法21条とメディア ~ テレビは私たちの願いに応えているか」というテーマで講演しました。
津田さんはHNK時代の経験に触れながら「大地震や津波についてはテレビも新聞も被災の状況、安否、支援活動などの報道に日夜全力を尽くした。しかし原発事故に関しては東電と政府の発表を垂れ流す報道が何ヶ月も続き、独自の調査で当局の「情報かくし」に立ち向かうことが遅れた。報道部門は色々なルートで政界、産業界と接触があり圧力もある」と実例を挙げて指摘しました。

その上で津田さんは、「メディアを市民の願いに応えるようにするために何が必要か」に触れ、「憲法21条の『言論の自由』はイギリス権利章典やフランス人権宣言の流れを汲む大切な権利だ。欧米でもアジアでもこれをさらに発展させて反論権の確立、市民の発言を保障する放送枠の確保、市民メディアの確立へと進みつつある。日本でもそういう芽は出始めているがさらに発展させることが重要だ」と強調しました。

講演 8/15 名古屋市教育館

講演 8/15 名古屋市教育館

このあと会場発言に移り「ヘイストスピーチ」への対処、新聞への投書に対する嫌がらせなどについて津田さんを交えて討論、最後に愛知県平和委員会の高橋信理事長が締めのあいさつを行い閉会しました。 (日本ジャーナリスト会議東海 加藤 剛)