川畑・愛知県立大准教授による講演 ~憲法を守らせる国民になろう~
愛知県立大学准教授の川畑さんが『「安倍内閣の暴走」と「憲法」―「立憲主義と叫ぶ前に少しだけ立ち止まって」』と題して、講演されました。以下に講演で感じたことを書きます。
「安倍内閣の暴走」を多面的に考えようというのが話の一つです。安倍晋三の宿願は「9条平和主義の破壊」と新憲法制定であります。あの手、この手から禁じ手まで行きついているという内容の紹介です。その根底に自民党が2012年4月に発表した憲法改正草案があり、さらに、それを保障する2012年と13年の国政選挙で一強多弱になったことです。安保法制懇の報告から自民党内でも邪魔者は切り捨てていき「閣議決定による憲法『解釈変更』」へと続きます。川畑さんは「短期間にここまでやり散らかす」内容を比喩的に「裏口入学」「試合開始後のルール変更」などと話されました。暴走の根底に「障害物としての9条の文言」があり、「拉致問題のとりくみ」との関連、経済的な根拠も示されました。
憲法の平和主義と第99条は「天皇は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官、その他公務員は、・・・」と憲法尊重義務が重要と述べていますが、守るべきには国民は入っていません。「考えない主権者」から「考える主権者」に変わり、憲法を守らせる国民になる必要があります。そのためには副題の「立憲主義と叫ぶ前に少しだけ立ち止まって」立憲主義という言葉を深めることが重要だと述べています。
集団的自衛権の行使容認を閣議決定により解釈改案を強行しても、厳然と条文が残っており、これが暴走の歯止めになり弱点にもなりうるということです。(三浦)