2015年「戦争を肯定する教科書」の採択を許さない愛知県民報告集会

安川氏の講演 10/25 教育会館

安川氏の講演 10/25 教育会館

10月25日、愛知県教育会館にて「2015年『戦争を肯定する教科書』の採択を許さない愛知県実行委員会」主催で、見出しの集会が行われました。中学校の教科書採択が行われた今年、「日本国憲法を否定し、戦争を美化する『つくる会』系教科書の採択を許さない」という一点で実行委員会を結成し、1年という期間限定でさまざまなとりくみを行いました。その結果、名古屋市をはじめ愛知県下においては、「つくる会」系教科書は採択されませんでした。

記念講演は安川寿之輔さんによる「戦後70年 安倍談話を批判する!」でした。

8月14日、安倍談話が閣議決定され、発表されました。マスコミでは、「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「心からのお詫び」の4つの

キーワードが入るか否かばかりが

報道されていました。同日発表された談話には、それらのキーワードが

とりあえず入っていたために、安倍談話を「評価する」としたのが日本では39・6%となり、「評価しない」とした33・0%を上回りました。一方、韓国では「評価する」が4.7%にすぎず、「評価しない」が79・8%にものぼりました(『中日』『ソウル新聞』合同世論調査)。

講師の安川さんは安倍談話を詳細に分析され、「安倍談話は、4つのキーワードがバラバラに文脈と関係なく文中にはめ込まれたため、村山談話は何一つ継承されず、換骨奪胎したものとなっている」と指摘。中でも、談話の結語が、昨年7月1日の閣議決定以後の憲法9条破壊、「積極的戦争主義」に突進する道を、「我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、『積極的平和主義』の旗を高く掲げ」となっている点が、この談話の「最大の欺瞞であり悲劇」であると、厳しく批判されました。

実行委員会からは、この1年の活動報告、会計報告が行われました。続いて、全国の教科書採択の状況についても報告されました。大阪市をはじめ、金沢市、松山市などいくつかの県庁所在地において、新しく「つくる会」系教科書が採択される一方、これまで採択されてきた東京

都大田区や愛媛県今治市などでは、市民運動の力で不採択となりました。

また、名古屋市における教科書採択の経過についても詳しい報告がなされました。

今後、2017年には小学校、2018年には中学校の道徳教科書の採択があります。そして、4年後には再び中学校の教科書採択があります。「実行委員会」はひとまずその役割を終えますが、今回の教科書採択に向けたとりくみを踏まえ、継続的に学習会を開き、次回の教科書採択に向けての力をつけていきたいと思います。