第九回強制動員真相究明全国研究集会 名古屋で開催

強制動員真相究明全国ネットワーク主催で、見出しの集会(サブタイトルは、「朝鮮人強制労働と世界遺産問題」が開催されました。本集会は、2004年、韓国で盧武鉉大統領の時代に発足した「日帝強占下強制動員真相究明委員会」に連帯して、加害国日本で発足したものです。

今年は、3月5日、愛知労働会館を会場に全国から100余名が参加しました。紙幅の関係で、報告テーマと報告者を紹介して、本研究集会についての紹介に代えたいと思います。

20160325-2「特別報告」は、①「朝鮮女子勤労挺身隊調査を(追悼記念碑~99円、199円問題まで)を通じて『解決済み論の誤りを糺す』」小出裕(名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会)、②「地方儒生の日記から見た強制動員の実態」金敏ギル(韓国民族問題研究所責任研究員)の2本で、地元からの報告者として、小出裕さんが、30年間のとりくみを詳細に報告しました。「各地域の報告」では、①「三菱重工業・三菱鉱業と強制労働―長崎の産業革命遺産を中心に」竹内康人(強制動員真相究明ネットワーク会員)、②「三菱重工長崎造船所強制動員被害者の被爆手帳認定について」河井章子(韓国の原爆被害者を救援する市民の会)、③「戦時下の三井三池炭鉱と外国人労働者」廣瀬貞三(福岡大学)、④「観光スポット、歪められた教育資料として宣伝される『明治日本の産業革命遺産』八幡製鉄所」兼崎暉(八幡製鉄所の元徴用工問題を追求する会)、⑤「釜石と歴史の継承―世界遺産登録問題から考える」、⑥「釜石と歴史に継承―世界遺産登録問題から考える」山本直好(日本製鐵元徴用工裁判を支援する会)、⑦「強制動員に関する資料紹介」竹内康人(前述)という7本でした。以上の7本の報告は、日本国家と加害企業が戦争責任と植民地支配責任を未解決のまま放置してきたかを示しています。なお、2日目は、フィールドワークで東南海地震犠牲者追悼記念碑(名南ふれあい病院)と三菱殉職碑(港区大江)をまわり、54人の参加者が、目・耳・足で歴史認識を深め合いました。