名古屋港の軍事利用拒否を求め申入れ ~「米軍機材の陸揚げは戦時訓練目的」と抗議~

県平和委員会と安保破棄実行委員会、平和と憲法を守る港区連絡会は、滋賀県饗庭野(あいばの)演習場で行われる日米共同演習で使用される米軍機材を名古屋港で利用することについて、防衛省東海支局と名古屋港理組合に対して中止を求め申し入れを行いました。

今回の演習は、紛争地域に緊急展開するストライカー装甲車を装備した米陸軍緊急即応部隊との合同演習(オリエント・シールド)で、饗庭野演習場で8月29日~9月21日に計画しています。
これにともなって、米軍の機材を名古屋港で陸揚げすることが判明しました。

陸揚げされるストライカー装甲車 8/31 名古屋港

陸揚げされるストライカー装甲車
8/31 名古屋港

ストライカー装甲車10台、155㎜榴弾砲を含む機材が、名古屋港98、99号岸壁(飛島村)に陸揚げされます。
運搬するのは、民間船(主に米軍を輸送)グリーンレイクと米陸軍兵站支援船ハロルドクリンガーです。
すでに8月11日米国(ハワイ)を出港し、8月29日と9月1日にそれぞれ入港する予定です。

管理組合は、「平和な商業港である名古屋港の軍事利用は好ましくない」と表明し、また朝鮮戦争やベトナム戦争以後、米軍の機材が民間チャーター船によって荷卸しされるのは「管理組合の資料を探す限りない」として初めてのことだと話しました。
しかし、港湾法の「入港の平等」をもって「拒否しない」と表明しました。
これに対して、これまでの米軍艦船の入港は「友好・親善」であったのに対し、今回は戦時訓練を目的にしていることは明らかで、商業港の軍事利用は許さない立場に立つべきだと迫りました。
申し入れを行った3団体は、名古屋港の利用時に、抗議の宣伝行動を名古屋港駅前で行うことを確認しました。

かつて、滋賀県の日米演習で四日市港が軍事利用されていましたが、核兵器の持ち込みについての照会を外務省通じて行った結果四日市港には、それ以降の米軍利用はなくなっています。
今回の軍事利用は、滋賀県の演習場から見て四日市港に次いで利便性の良い名古屋港を利用したのではないかという懸念がでてきます。