「教育再生会議」の教育と次期学習指導要領 ~「愛国心」教育と「グローバル人材」育成の危うさ~

安倍政権では、「教育再生会議」が教育行政を主導しており、その教育は、国家に貢献する「愛国心」教育と、企業に貢献する「グローバル人材」の育成を目的として掲げています。
これを受け、文部科学省は道徳の教科化で「愛国心」教育を、9月に公表した次期学習指導要領で「グローバル人材」の育成を具体化しようとしています。

2017年度に小学校の道徳教科書が採択され、2018年度より実際に学校現場で教科としての道徳がはじまります。
育鵬社版の教科書では、戦前「修身」の教科書で採用された題材がそのまま使われています。
成績は記述式で評価され、生徒はいい成績を得るために演じることになります。

「グローバル人材」の育成は、以前から財界の要請で教育政策に反映していましたが、「教育再生会議」では露骨なものになりました。
2013年4月に「教育再生会議」は、「グローバル人材育成のための3本の矢」として、
①英語教育の抜本的改革
②イノベーションを生む理数教育の刷新
③国家戦略としてのICT教育
を提言しました。

この提言を受け、文部科学省は次期学習指導要領において、「グローバル人材」の育成を目的とし、学習内容のみならず学習方法までも学校現場に押しつけてきています。
その学習方法とは、アクティブ・ラーニングと呼ばれ、生徒自らネットで調査し、その結果をパワーポイントを用いプレゼンテーションするものです。
これは、従来からある教育方法ですが、問題は学校現場の実態を無視して、画一化しようとしていることです。

元来アクティブ・ラーニングとは、OECDが先進国に対して推奨しているもので、プレゼンテーション能力を高める社員教育をモデルにしているものです。
従来は、新規採用された新人教育の一環として、企業内で行われていました。
しかし、今日企業にそのような余裕が無くなってきており、グローバル競争に打ち勝つ即戦力の人材を欲しています。

今年の不戦のつどいにぜひご参加ください。