日本平和大会in三沢 ~1500人が参加 戦争反対・憲法守れの運動を広げる~

今年の日本平和大会は10月22日と23日に開かれ、1500人の参加となりました。
昨年の御殿場大会よりも約200人多い参加。
これには、地元青森が目標600人を上まわり、岩手も“準開催地”と目標100人を超えるなど、東北のみなさんの奮闘がありました。

閉会総会のあとの記念写真 10/23 三沢市

大会は、伊波・高橋・田名部各議員の参加で戦争法廃止・立憲主義回復、沖縄新基地建設反対などでの共同の発展を力強く示し、PKO新任務付与許すな・南スーダン派兵反対の声を広げ、そして三沢基地の実態を通じて在日米軍・日米軍事同盟の危険と異常を考えるという、開催地・青森をはじめとする全国のたたかいによって内容的も充実したものとなりました
大会は、“三沢で南スーダン派兵反対のデモ”(産経新聞)や中日新聞で2面に報道されるなど、全国的な反響も呼びました。

愛知からは、昨年の御殿場の23人を上回り28人が三沢に結集しました。
分科会では各会場で愛知の代表が運動を発言し、大会に参加しました。
仲間づくりでは、2名の方から1名1部増やしました。また愛知パンフを55部普及しました。

◆各分科会の報告
分科会に参加された県平和委員会会員の皆さんからレポートを寄せていただきました。

・第一分科会「憲法を生かしアジアの平和をどうつくるか?」
岸松江さん(弁護士)の司会により、三人のパネリストが自らの経験と現状のアジアの政治状況に添って発言。
フィリピン代表ウォルデン・ベロ氏は、米国の戦略頼みとするのは北の日本、南のフィリピンであり非主権国家である。中国のやり方は非難されるべきだが、国境をめぐる抗争であるとを理解しなくてはならない。
伊波洋一参議院議員は今、沖縄で起きていることが中国対峙であり、南西諸島への自衛隊の基地づくりの動きは日本が戦場になることを想定している。高江のヘリパット建設は緊迫した闘いが長期に続く中、力による闘いを主張する声もある。このような考えは相手の思うつぼである。非暴力を貫きオール沖縄で頑張るとき。
AALA常任理事・国際部長の田中靖宏氏は、米韓両国は大規模な合同軍事演習を断続的に行い、ミサイルTHAADの韓国配備決定など緊張がエスカレートしている。北朝鮮は、核兵器廃絶を掲げる大多数の非同盟諸国と関係を持っている。北朝鮮問題に本気で取り組むなら、米国の核の傘に頼るのではなく、核兵器廃絶と国際社会を味方につける外交に本気で取り組む必要がある。
共通して述べたのは、中国、北朝鮮の脅威論による米国主導の軍事力に頼らず外交や交渉、譲歩など骨の折れる仕事に力を入れる時だということ。行動を続け新しいアジアのためにも未来に向かって進むこと。(つまり憲法9条を活かすことでは…)
ベロ氏は最後に「相手に恥を掻かせない、複雑な問題は非公式に話し合いを重ね、大筋で合意できた時公式にすることが大事だ」と、ASEAN議長国を例にとり外交上の大切な一点を話されました。
私たちの運動にも当てはまるものだと思いました。

・第二分科会
この分科会のテーマは「自衛隊を戦場に送るな戦争法の廃止・憲法守れの運動」で、自衛隊員家族平和子さん、元自衛隊員末延隆成さんと日本平和委員会代表理事の内藤功さんを迎えて、戦争法の受け止め方について報告されました。
自衛隊員家族からは、子どもは経済的にも家族の生活を守るために入隊し、さらに国民の生活を守るために活動しているが、南スーダンへ派遣されそうで心配。「派遣反対」と人前で発言をしてきたが、子どもからはやめて欲しいと言われ、偽名で活動している。
元自衛隊員は、本質的に自衛隊は人殺しの訓練している、人を殺すのが戦争で人の腰を狙い撃ち、ダメージを与えるようにしている。市民と軍人と区別が付かない中で捕まえた人質を、大きな穴を開けさせ、捕虜としてそこに10人20人をまとめて入れて、少ない人数で管理をする。人権感覚はなくなるし戦場はそのようなところになる。
内藤氏は、南スーダンの派遣で自衛隊の訓練が今までの訓練と大きく変わった。また安倍政権が南スーダンの派遣にこだわる理由といえば戦争法を進めたいことと、財界70社を引き連れてアフリカへ行き3兆円の投資をする話をしてきた。財界のアフリカ戦略と自衛隊の派遣と結びついている側面を見過いけないと言われました。
会場からの発言は各地の平和委員会から、基地の監視活動などが報告され、愛知からも名古屋港、守山駐屯地、小牧基地について軍事利用の強化の問題などを具体的に報告しました。

・三沢基地調査
米軍三沢基地は、3000mの滑走路を持つ三沢飛行場を中心に、三沢対地射爆撃場、八戸貯油施設を含む、総面積2380㏊の広大な施設群です。三沢市に占める面積は2割にもなります。
その中の三沢飛行場は、米空軍、航空自衛隊、民間航空3者が共用しています。
大会参加者は空港ターミナルビルを訪れ、屋上から滑走路とその奥に見える米軍施設群を見学しました。
遥か向こうにはF‐16戦闘機が駐機しているのが見えます。

移転した集落での説明 10/22 三沢市

ガイド役の方の話にびっくりです。
三沢飛行場の滑走路は民間機が“使わせてもらっている”状態で、飛行機がターミナルに入ると、ゲートが閉じられてしまいます。
ガイドの方いわく、「ゲートの向こうは治外法権です」。思わず、「ここはどこの国だ」。
米軍基地がふるさとを奪う―三沢基地F‐16が配備されて以来、殺人的爆音、低空飛行訓練、墜落、部品落下等々、最悪の人権蹂躙が行われてきました。
結果、集落が集団移転するという悲劇が起こったのです。これまでに、5地区及び個人移転で計1321世帯が、住み慣れた土地を追われました。
三沢市はこの事態にも、「基地との共存共栄」を謳い、市予算の1割を占めるという交付金に依存する姿勢を続けています。