ニュージーランド空軍が小牧基地で「交流」~政府答弁に反すると抗議~

ニュージーランド空軍が10月24日から29日まで航空自衛隊小牧基地に滞在し航空自衛隊と部隊間交流を実施しました。

ニュージーランド空軍C130H輸送機が飛来し、第40飛行隊の隊員14名が滞在。
目的は「同空軍との友好関係の強化及び信頼関係の増進」「両国輸送部隊所属隊員による相互の任務紹介、機体見学及び部隊研修」としています。

10月26日愛知県平和委員会は、防衛大臣、小牧基地司令に対し、ニュージーランド空軍機の小牧基地飛来について、抗議の申し入れを行いました。
県平和委員会や地元住民が抗議の申入書(5団体)を手渡しました。

日本政府はこれまで、「(アメリカ軍以外の)第3国の人の訓練をわが国において行うことは許されない」との政府答弁で行ってきました。
国連の協定においても5条で「国連軍は合同会議を通じ、日本政府の同意を得て米軍施設を使用できる」としていますが、小牧基地は該当していません。

交流の内容や条約・法的根拠を問うたところ、担当官は「覚書に基づいてです」と答え、その覚書の詳細を質問すると「今わからない」とのことでした。

後日、基地より連絡があり、法的根拠は「防衛省設置法、第4条第1号防衛及び、警備に関すること」との内容で、ニュージーランド空軍との間で覚書「防衛協力・交流に関する覚書(両国間の協力と交流を深化)H25・8月」が交わされていますが、詳細については基地が知る立場にないとのことでした。
同法の第4条第1号は防衛省の事務手続きを定めたものであり、「第3国の人の訓練を我が国で行うことは許されない」との政府答弁を新たにするものではありません。
また覚書の詳細については分からないものの、軍と自衛隊の約束が、政府の見解を変えるようなものであれば大問題です。
また担当官は、交流の目的を「災害支援の交流だ」と繰り返しましたが、メーテレの報道(10・26)では、「人道支援や海外派遣の場で一緒に活動することがあるので、お互いを知るいい機会になった」(ジェフリーピアス大佐)と答えるなど、海外派兵を念頭に米国以外の米国同盟国との訓練・交流が始まったというのが実態でした。