大きな平和運動をつくる平和委員会を 第70回定期大会開催

愛知県平和委員会は6月16日、第70回定期大会を愛知民主会館で開催し、12地域の代表など42人が参加しました。

大会では、1号議案に基づきこの1年間のとりくみを総括するとともに、次期大会に向けての方針を確認しました。総括では、①安倍改憲NO市民アクションを通じての幅広い市民団体との共同を強めてきたこと、②沖縄のたたかいでは、稲嶺氏による講演会を開催し近年最高の480人、県知事選挙では派遣43人、募金135万円の到達となった運動、③愛知を戦争拠点にさせないたたかいでは、ブルーインパルス曲技飛行を告発しストップさせたとりくみに続き、F35整備拠点化では、住民アンケートにとりくみ420通を超える市民から切実な要求をつかんで、今後大きな運動に発展させる土台を築いてきたこと④自衛官募集の住民名簿情報提供の問題で自治体アンケートにとりくみ、54自治体中35自治体から返信があり、抽出して閲覧している自治体が13あることを集約し、今後の運動を発展させようとの呼びかけがありました。仲間づくりでは、年間で54人、91部となったこと、基礎組織で1つを新たに建設し3つを再建した経験などが報告されました。今後の方針では、①安倍改憲発議ストップに全力を挙げるとともに、そのためにも参議院選挙で、立憲勢力の躍進が重要であること、②日本平和大会が11月、沖縄で開催。改憲を許さず、安保、基地、戦争する国づくりを許さないたたかいを結節点とすること、③核兵器廃絶へ、2020年NPT再検討会議や世界大会ニューヨーク行動を成功させるため全国でヒバクシャ署名を1000万筆を大きく上回る到達点にすすむこと、④仲間づくりで今大会規模を上回る会員30人、新聞50部以上の純増をめざす。そのためにも楽しく気軽に仲間づくりの輪を広げようと呼びかけました。

討論では、22人が発言。「安倍教育改悪で、教科書、教育指導要領、教育現場などが悪化している。主権者教育を前へすすめたい。」「F35戦闘機墜落で、周辺住民に衝撃が広がっている。さらに幅広い市民と運動を広げるチャンス」「陸自守山駐屯地の祭りで、戦死者が生じる模擬訓練。戦場と隣あわせの訓練を許さない」「3000万署名で各小学校をまわり、2校の校長が応じてくれた」「自治体労働現場の職員の気持ちとかみ合う平和の訴えをしていくことが大切」など運動をおおいにすすめていく発言とともに、組織づくりについても討論されました。

「名古屋港の軍事利用を許さないなど平和委員会の役割が浮き彫りに。平和行進で労働組合に呼びかけたら20人が平和委員会に入ってくれた」「平和行進で多くの参加者に呼びかけ8人、25部が新たに。運動をしているときにこそ働きかけが必要になっている」「1組織の結成、3組織の再建では、大きな平和運動をつくる平和委員会の必要性が共感された」などこれまでにない組織建設での成果が報告されました。大会では、新役員体制が提案され、3つの決議が拍手で採択されました。

第70回定期大会選出された役員
理事長   高橋信
副理事長  小島俊樹 長坂 圭造 林達也 三浦米吉  
事務局長  矢野創
事務局次長 坂本敏彦 滝田伸幸

愛知県平和委員会 70周年記念レセプション

第70回定期大会終了後、創立70周年レセプションが開かれ、34人が参加しました。大会記念に「改憲の現況」と講演された三宅さんも参加されました。
元事務局長の浜崎さんは開会あいさつで、平和委員会は財政的に苦労したが、携われて良かったと回顧されました。
森賢一さんが元事務局長と自己紹介してミニ記念講演を行いました。一枚の写真を示して、ここに愛知県平和委員会の歴史と伝統があり、活動の原点があるとして話されました。写真は1967年8月に撮影されたもので、名古屋港に荷揚げされた「ベトナムで損傷した米軍ヘリ」です。港湾労働者で平和委員会会員が連絡をくれ、直ちに駆け付け撮影したとのこと。そのヘリは検査、入港料なし、検疫なしで荷揚げされ、名古屋港から岐阜の川崎重工に移されました。そこには安保条約があり、地位協定があることを物語っています。また、60年安保を闘った頃の愛知県平和委員会は、学者・文化人を中心に200人くらいでした。安保闘争を通じて職場に平和委員会が必要と総括し、65年7月、日本平和員会の名古屋大会で、職場・学園・地域に平和委員会を持つことが方針化されました。そのときの県平和委員会は2000人規模になっていました。「その歴史と伝統が生きていると70回の定期大会発言からも感じた」と報告されました。
 その後、参加者が思い出や情勢ととりくみなどを発言し、70周年を祝うとともに、当面する参議院選挙に向かう決起の場ともなりました。(米)

安倍改憲ストップと安倍政治の終わりを     高橋 信

高橋理事長

様々な動きがある中でしたが2018年、世論と私たちの運動によって改憲発議をさせてきませんでした。2019年通常国会もまた、消費税増税、年金2000万円問題、最低賃金問題などいのちとくらしに直結する問題が山積し、改憲どころではなく憲法審査会での審議強行を許さず、閉会しようとしています。参議院選挙で改憲発議に必要となる3分の2を割らせていくことは十分可能で、私たちの運動次第で、改憲をストップさせる展望がいま見えてきています。

その点で私たちにとって重要なのは、「市民に届く言葉、青年に届く言葉」を発信していくことです。専修大の岡田教授も「サンデー毎日」誌上で「心に届く言葉」の重要性を訴えていました。例えば、「国立大学無料化は3500万円でできる」と。こうした視点から平和委員会としてはF351機で保育園4000人分、特別養護老人ホーム900人分、学校エアコン4000教室分など“武器よりくらし”を大テーマに市民に届く言葉で訴えていくことが大切です。

1ヶ月後に参議院選挙が迫りました。改憲ストップとともに安倍政治を終わらせるチャンス到来です。高齢者の皆さんも高齢にまけず、会員一人ひとりが全力をあげて、このチャンスを活かしきりましょう。

殺し殺される自衛隊になろうとしている        城下 英一

守山区 城下氏

私は毎年、陸上自衛隊第10師団の基地公開に行き、監視活動を継続してきました。基地公開は約9000人~1万人が訪れ、自衛隊を「市民の目に慣らす」活動が行われています。戦争法の下で「殺し殺される」ことを想定した訓練展示が行われ、15年にははじめて戦死者が生じる訓練展示を行い、昨年18年には近接訓練、徒手格闘訓練とともに、隊員が敵の捕虜になるシーンを公開し、それを奪還する訓練を行う「死生観訓練」が行われています。まさに自衛隊の日常的な訓練は「殺し殺される」ことが念頭に置かれる訓練が行われています。これに対して銃を構えた行軍訓練にたいする中止の申し入れと抗議の活動を行っています。いまこのような陸上自衛隊の実態を知らせる講師活動も行い県内7カ所で行ってきました。海外派兵に反対し、戦争法廃止の大きな運動を地域に広げたい。

世論は変化している 澤村暁世

澤村 理事

県平和委員会青年・学生部として2018年9月に沖縄県知事選挙に連帯して、2019年2月は辺野古への土砂投入に抗議を込めて辺野古新基地建設の是非を問うシールアンケートを行いました。

9月は、賛成6、反対22、どちらでもない4。2月は、賛成2、反対46、どちらでもない9でした。合わせて76%の人が埋め立て「反対」と答えています。9月の時は対話以前に質問文を理解してもらうことが大変でした。「基地はいらない」「きれいな海がそのままであってほしい」の声の一方で、「自分の国は自分で守るべき」と国防軍の必要を唱えた青年が印象的でした。

2月の時には、ボードを掲げているだけで「あのことか」と反応し認知度の広がりを感じました。市民の側から「安倍政権は倒さなくては」と安倍政権の「戦争する国づくり」に反対する声が多く聞かれました。

2月のシール投票は全国4か所で行われ、合計260人が回答し86・2%が「反対」と答えました。この結果からも「民意は基地NO」と言えます。

このとりくみは全国の青年会員がSNSで交流して広がり、愛知でも刺激を受けてとりくむことになりました。それぞれの地域では青年の数は少ないかも知れませんが、SNSを活用して全国でつながることができます。これからも、愛知の活動を積極的に発信していきたいです。

基地建設は止める 新城正男

新城 理事

沖縄・辺野古で、昨年12月に新基地建設のための土砂投入が始まって半年、更に3月には第2工区でも始まりましたが、第1工区の約40%、第2工区は底が見えるほどの浅瀬に対して始まったばかりで、全体工事の25%が対象で埋め立て土砂の全予定量の6・1%にすぎません。全体から見ればまだまだ自然が破壊された状況ではありません。

一方で、工事が行き詰まざるを得ない事態、軟弱地盤の問題が出てきています。90mの深さを含め7万7000本の杭を打たなければなりません。防衛省の工法は、これまでやったことのない方法です。65mの深さまで可能な杭打ち船を多数動員して、3年8か月で終わらせるとしていますが、実際には5年以上かかる状況です。

政府が変更手続きを提出しても、沖縄県知事はこれを認めません。政府は、「設計変更不承認は違法」とする訴訟で対抗するでしょう。政府としては最高裁で何とでもできると踏んでいます。辺野古新基地建設阻止の打開策は、世論の喚起しかありません。国民の大きな世論で、これをおしとどめることが大切です。

また全国知事会で「日米地位協定の抜本的見直し」の決議がなされ、50余の地方議会がこれを支持していますが、更にこの流れを広げていく努力が必要として、方針案補強を求めます。

仲間づくりは楽しい! 三浦米吉

三浦 副理事長

知多地域では、5月に布施祐仁平和新聞編集長を講師にした講演会が開催され、約200人が参加し9人8部が新たに入会・購読しました。そこでは、①参加者200人に、入会・購読申込書を挟んだ平和新聞を配布できたこと、②15名ほどが集まった学習会終了後の懇親会で呼びかる・・・運動や学習会の場所で声をかけることができたこと、③布施さんや私が声をかけましたが、知多地域の会員からも呼びかけたこと。つまり地元の会員が訴えたことが重要である。などなどが特徴でした。

布施さんの講演した内容「自衛隊のリアル」が今の安倍改憲と結びつき、「何かしなくては」との思いにもつながりました。「卒業した生徒が、新入社員研修の一環で自衛隊に行きました。そういうことが当たり前となっている社会を何とかしたいと思います」「どんな理由があろうとも戦争ほどの悪はない。ともにがんばりましょう」などです。

安倍改憲のもと平和運動に関心を高めている人は増えており、そこに必要な働きかけが行われれば、仲間は増えます。そして仲間が増えることは楽しい活動です。ともにがんばりましょう。