侵略戦争美化する教科書はNO 教科書展示会7月1日まで 急いで意見書を

6月5日から2020年度の教科書展示会が県内各会場で行われています。

名古屋市内は鶴舞中央図書館と教育センター(伝馬町)の2か所です。各地の教科書センターは各自治体にお問い合わせください。

展示会は、7月1日で終わります。お急ぎください。

16日、役員5人で鶴舞中央図書館へ展示会に行ってきました。書いた意見書を紹介します。参考にして意見を集中させましょう。

●「社会歴史」、古代と中世について 育鵬社の歴史教科書について意見を書いてきました。神話物語を飛鳥時代の後の部分に挿入し、初代天皇を神武天皇とし、即位した日が「建国記念の日」(2月11日)と紹介しています。これでは神話を物語として理解させるのではなく、あたかも現代に続いている印象を与え、歴史事実と神話の世界がごちゃ混ぜになり、歴史認識を誤らせる可能性が高く、名古屋市の歴史教科書として採択してほしくないと、意見を書いてきました。

●「社会歴史」、近現代について(育鵬社)・侵略戦争の歴史育鵬社教科書では、東南アジアやインドからの要請によって、「欧州の植民地支配からの解放」とだけ記載し、位置付けています。アジア・太平洋地域で2000万人以上の犠牲者を生み出し、日本植民地支配から独立を求める運動と市民の声があったことを指摘せず、日本が起こした戦争を侵略戦争と位置付けることをしていません。歴史の歪曲を次世代の子どもたちに伝えるわけにはいきませんと意見。

・憲法成立の時代育鵬社教科書では、当時の内閣から大日本帝国憲法で対応できるとの主張に、GHQからの意向に反対できなかったと記載。現憲法の3大原則(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義)が否定されてきた帝国憲法からの大転換やその意義を記載しない、また国民多数から支持を受けていることなどを展開しないで、ことさらGHQの圧力を主張することは、事実を歪曲するものだと書きました。

・1960年安保闘争育鵬社教科書では、安保改定を「アメリカとの関係をより対等」にするものと位置づけます。しかし新安保では、第6条の「極東条項」をとりはらい、日本の基地からの戦闘作戦行動が位置づけられたもので、「日本防衛」の建前さえ乗り越える憲法違反の改定内容でした。国民的に広がった闘争の発端も記載しないことは大変問題であると意見しました。

●「公民」(育鵬社・自由社)・憲法国連人権規約に「人権を制約する規定」があると記述。「公共の福祉」に反する行為を取り締まる法律を列記。破防法、公安条例、団体規制法――国民の自由な活動を封じる恐れのある法律で、国民主権、思想信条・表現結社の自由を縛る「公共の福祉」は、個人の自由を守る為に、抑制されなければいけない。

あいち教科書市民の会学習会に参加して 

6/16 鶴舞図書館

17日には、愛知教科書市民の会(「子どもたちに『戦争を肯定する教科書』を渡さない市民の会」が正式)の学習会が開催されました。 

「子どもと教科書全国ネット21」の糀谷陽子氏の講演スライドを教科書市民の会の三浦氏が紹介しました。さらに、教科書展示会に参加してきた人からの報告、新日本婦人の会県本部子ども教育部から「2020年中学校教科書展示会に行ってこよう!」という資料が配布されました。それは育鵬社教科書をコピーし、問題部分を説明したものでした。また、他の教科書全般にわたる問題点の資料も配布されました。

くり返しになりますが、意見書は7月1日までです。急いで各施設に行きましょう。