イラク派兵違憲判決から13年 平和的生存権は未来の命をつなぐ権利

4/17 民主会館にて視聴

「イラク派兵は違憲」とした名古屋高裁判決が出た2008年4月17日から13年目の同じ4月17日、「平和的生存権の生命力を発進する名古屋集会」が、会場と北海道・東京・沖縄はじめ全国をオンラインで結んで行われました。

「イラク派兵違憲訴訟」は、全国11地裁14訴訟に8000人が原告として参加してたたかわれ、名古屋でも3248人が提訴したものです。 開会のあいさつで佐藤博文弁護士は、名高裁判決を「平和的生存権を平和憲法の具体化として勝ち取ったもの」と評価し、「今の裁判成果につながる意義あるたたかい」とふり返ります。更に、「当事者である自衛隊員の人権を守るたたかいでもあった」と述べました。内藤功弁護士は、①米軍の空輸は「武力行使」にあたる、②平和的生存権は基底的権利であり、法的な具体的権利、③原告の心情に共感、とする名高裁判決の真髄をあげて、砂川(1959年3月30日、東京地裁)。長沼(1973年9月7日、札幌地裁)と併せて、違憲判決を武器に安保法制違憲訴訟をたたかう重要性を強調します。

当時「イラク派兵差し止め訴訟の会」代表であった池住義憲さんは、「平和的生存権は今を生きる者だけでなく、未来の人たちの命をつなぐ権利でもある」と語って、名高裁判決を「単なる回顧ではなく、現在の裁判への意義と捉える必要性」を訴えました。違憲判決を下した当時の裁判長青山邦夫弁護士も発言し、「違憲が明らかな場合は憲法判断をしてもいいのではないか」と述べています。

集会の冒頭では、ジャーナリストの半田滋さんが「変貌する自衛隊」、沖縄大学客員教授の小林武さんが「沖縄の闘いと平和的生存権の生命力」と題したミニ講演を行いました。防衛大学いじめ事件被害者のお母さん、自衛官の息子の海外派兵に反対してたたかう平和子さんも、「やっぱり軍隊はいらない」と訴えています。