2022「私たちの表現の不自由展その後」展IN NAGOYA

名古屋市・市民ギャラリー栄

2021年7月。表現の不自由展は、会期7日間が3日目にして不審な郵便物の破裂により中止させられた。今回8月25日~28日「失われた4日間」を取り戻すため、「検閲・圧力・妨害」をはねのけ、市民の力で成功裏に開催期間を終えた。不自由展開催に通算3年の歳月を要した。

実行委員会・弁護士さんとの話し合い、ボランティアさんを募集し、他の開催地と連携し、市民活動の記録を作成し、名古屋市・会場関係者・警察・ビル管理者等と話し合いを粘り強く行い、警備体制の強化、完全予約制等の対策を行い開催に至った。1400人以上の方が来場され、課題を残しながらも市民の力で成功した。

会場には、「慰安婦」被害者の人権と名誉を回復するための「平和の少女像」(キム・ソギョン、キム・ウンソン作)、「慰安婦」被害女性を写真記録した「重重」(アン・セホン作)、昭和天皇をモチーフにした「遠近を超えてパート2」(大浦信行作)等、公共施設等での展覧会が中止や自主規制に追い込まれてきた5作家63作品だ。 別室展示には、当展示会に至る市民運動の記録が展示された。

開催に先立つ記者会見で、「今、なぜ普通に展示会ができないのか!表現の自由が抑えられ、異常な社会に生きていることに気づくことが必要だ」と今日の表現の自由を取り巻く危機的な状況に警鐘を鳴らした。

今回の大阪・東京・京都に次ぐ開催の成功は、日本の「表現の自由」になんらかの足跡を残し、さらに一歩前に進めたに違いない。