ノーモアヒバクシャ愛知訴訟第5回公判 国はきのこ雲の下で何が起こっていたかを想像だにしていない

ノーモアヒバクシャ愛知訴訟第5回公判11月15日、ノーモアヒバクシャ愛知訴訟(新原爆症認定訴訟)の第5回公判が名古屋地裁大法廷で行われました。
 この日の裁判では、被告の国側が提出した準備書面に対して原告代理人の弁護士が反論しました。弁護士は被告側が遠距離被爆者や入市被爆者に脱毛や下痢などの症状があったからといって「そのことをもって・・・急性症状を発症し、・・・優位な被爆をしたと推論することは誤り」と主張していることに対して「原爆による放射線は、初期放射線と残留放射線が複合したものであり、・・・内部被曝による被曝、被爆者を救護しながら残留放射線を受け続けた持続的被曝など、極めて複雑な被爆態様であることが・・・重大な特徴です。」と述べます。被告の国側が被爆者の症状原因を他に求める論にも対しても「複数の急性症状が同一人に同時に表れるという現象は・・・他原因論では説明できず、放射線の影響以外に考えることは不可能」と断じました。
 地裁前の事前集会で被爆者の一人は「あの日、きのこ雲の下で何が起こっていたかを想像だにしていない」と、これまでの集団訴訟で決着済みの論理をむし返し、原爆症認定を門前払いする国の姿勢を糾弾しました。 
 この日の地裁前には、被爆者・支援者ら50人がかけつけました。次回は来年2月6日午前11時から名古屋地裁で開かれます。裁判への傍聴は被爆者を力づけるだけでなく、国や裁判所への無言の意思表示となるものです。