「憲法と平和を守る愛知の会」2・16学習会報告  「秘密保護法」による検閲と情報隠しは民主主義を眠らせる

(憲法と平和を守る愛知の会 世話人・見崎 徳弘)

学習会 2/16 名古屋市博物館

学習会 2/16 名古屋市博物館

憲法と平和を守る愛知の会は2月16日、名古屋市博物館講堂で活動再開後初の情勢学習会を開き、毎日新聞の花岡記者と「自衛隊をウォッチする市民の会」(東京)の種田弁護士の講演を聞きました。秘密保護法を強行し憲法を踏みにじって「戦争できる国」へ暴走する安倍内閣とたたかう上でヒントと励ましをもらった学習会でした。

講演①毎日・花岡記者「イスラエル軍と検閲制度」――「秘密法」の恐さを告発

最初は、毎日新聞中部報道センターの花岡洋二記者。2010年から13年までエルサレムでパレスチナ紛争などを取材した体験をふまえて講演し、「秘密を守るならイスラエルを見習え」というほど情報統制が効いて、と「秘密保護法」に警鐘を鳴らしました。

核兵器の保有は世界9カ国と言われますが、言えますか?――冒頭、参加者にそう問いかけた花岡さんは、9カ国中イスラエルだけが有無を言わない「あいまい政策」を持っているのは、1948年建国以来、周辺アラブ諸国との4度の中東戦争をへて今も「非常事態」が続く国民皆兵(男女とも)の軍事国家だからだと解説した上、報道機関に対するイスラエルの検閲制度にふれ、「安全保障関連の記事」には厳しい検閲があり海外特派員にも「誓約」が求められる、だから核兵器や原子炉に関する報道はほぼゼロでせいぜい「外国の報道によると」という伝聞記事がやっと、情報が出ないので国民が疑問をもつことも議論が起こることもない、と現状を報告しました。

その上で花岡さんは、イスラエルは原則として報道の自由が保障される「民主国家」とされているし日常生活も他国と変わらないが軍事国家維持のために機密があり検閲と報道規制があることに国民が慣れ、民主主義が眠る国になっている、として「秘密保護法」の恐ろしさを指摘しました。

講演②自衛隊をウォッチする会・種田弁護士 「自衛隊の活動を“銃刀法違反”で告発」

講演する種田弁護士

講演する種田弁護士

次は、東京の種田和敏弁護士。2012年秋に「自衛隊をウォッチする市民の会」を設立したあと、練馬駐屯地で一般市民や子どもたちに銃を触らせた自衛隊を「銃刀法違反」で告発し止めさせた例、ヘリで運ばれた自衛隊員が迷彩服と銃で市街地を行軍するレンジャー訓練を道路交通法や区の公園条例違反と告発し「訓練禁止の仮処分」を勝ち取った例などを丁寧に紹介し、国防軍への地ならしを止めようと訴えて会場を沸かせました。

 30歳そこそこの種田講演は軽妙洒脱、気負いのない語り口でしたが、「駐屯地祭で子どもが銃に触れているのを見てハッとした。銃口の先には何がある?人殺しの銃を子どもに触らせるのは銃刀法違反じゃないか!との素朴な“思い”を、自衛隊への質問状の“形”にしたのが出発点でした」「変だ、おかしいという思いをもとに憲法や法律や条例を駆使して迫ると相手を追い詰めることもできる。キーワードは子どもだと思います」との指摘に、心から拍手を送りました。