歴史を学び未来を考える日韓青少年交流
2010年からはじまった交流は、今年で5回目を迎えました。高校生は、20名(女子14名、男子6名)、付添者4名でした。2011年の2回目からは、光州市の市費で、2013年からは、公募・選抜方式が採用されました。その結果、13年は79人が応募し、23校21人が、面接・事前学習などを経て、選抜され参加しました。今年はセオル号事件の影響を受けて、韓国社会すべてが自粛ムードにある中、応募者数は昨年よりかなり減少したようです。
参加日程・コースは以下の通りです。第1日…8月7日は、中部空港到着後大型バスで南区名南ふれあい病院に移動し、村松寿人さん(84歳)から「戦時下での朝鮮女子勤労挺身隊と東南海地震による犠牲から学ぶもの」、付添の金正勲(全南科学大学教授、日本近代文学専攻)氏からは、「安重根義士から影響を受けた日本人達の活動」というテーマの講演を聴いた後、東南海地震犠牲者追悼記念碑に献花しました。第2日…8月8日は、佐藤明夫さん(半田空襲と戦争を記録する会代表)から「太平洋戦争期の半田と朝鮮人」というテーマで、多くの資料を駆使した、これぞ「歴史の授業」という講演を聴きました。第3日…8月9日は、戦争展を見学した後、ピースステージ「歴史を学び未来を考える」に、日本の高校生は7名(3校)とともに参加しました。両国の高校生からは、「歴史を学ぶこと」「直に市民同士が国境を超えて交流する」ことの大切さが引きも切らず語られ、90分という時間があっという間にすぎました。高校生同士は、3日間という短時日に、濃密な学習と交流を通じて解け合い、2014年冬の日韓青少年交流(光州)での再開を誓い合っていました。安倍首相や石原慎太郎らによってつくられた「対立」「緊張」「わだかまり」は、こうした歴史に真摯に向き合う「誠信の交わり」(雨森芳洲…江戸時代中期の学者)によってしか解きほぐされないということ痛感する青少年交流でした。
(名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会 高橋 信)