「戦争法のリアル」経済的徴兵制

講演する布施さん 3/12 民主会館

講演する布施さん 3/12 民主会館

3月12日、安保破棄学習会「戦争法のリアル」経済的徴兵制 講師布施祐仁氏(平和新聞編集長)がありました。

経済的徴兵制について、志願ではあるが経済的格差や貧困により、選択肢を奪われた状況で兵士を確保するシステムと定義づけ、日本でもそうなる可能性があると指摘します。自衛隊に入る人は国を守りたいという使命感よりも、待遇面での有利という理由が多く、自衛隊もそれを売りに募集しています。もともと自衛隊には少子化で将来的に自衛官募集は厳しくなると危機意識があり、必要な隊員を確保するために組織的募集基盤の強化―市町村・学校・ハローワークなどの協力を得ています。学校では、校長会が圧力をかけたり、卒業生がリクルーターになって訪れるなど、協力を断りにくい状況がつくられることもあります。しかし、今までは、自衛隊に入ることも雇用対策、貧困対策としてあまり問題にされなかったが、集団的自衛権行使が容認され、アメリカが経済的国益のために起こす不正な戦争に、経済的徴兵制のもと、戦争のリスクを貧乏人に負わせる事態になる。自衛官は危険を顧みず身をもって任務に当たると宣誓するが、それは憲法を遵守し、国民の負託に応えてのこと。海外での国益追及、経済のために誰かの命が犠牲になっていいはずはないと力説し、平和の問題と経済格差を拡大する不公正な社会を変えることを、結び付けて取り組むことが必要と結論づけました。

自衛隊に職場体験に行った中学生から、「希望のところに行けなかったので、自衛隊に行った。さかんに高等工科学校を勧められた」と貴重な報告もありました。