北朝鮮脅威論のマヤカシをこえて
「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)」は、1月6日、「抑止力」を理由として、「水爆」実験と称する4回目の核実験を強行し、2月7日、「平和的な宇宙利用の権利」として運搬ロケット「光明星号」という名の長距離離弾道ミサイルを発射しました。「核開発を強行する北朝鮮は何をねらい、どこへ向かおうとしているのか」と3月16日に安保学習会を企画しました。情勢に見合って関心が高く、46名が参加し、小出裕日朝協会愛知県連合会事務局長の話に耳を傾けました。
彼は「63年前の(朝鮮戦争の)停戦協定を平和協定に」することによって「緊張から安定へ」と進むとし、北朝鮮からは、核実験やミサイル発射には、それを望むメッセージが込められていると話しました。「制裁」強化について「モノ、カネ、通信の遮断し、征伐観による敵対的な兵糧攻めは、戦争につながる手前の措置であり、自らの交流・外交環境を閉鎖させる措置でもある」と批判しました。日米韓との圧倒的な軍事力の差の前に、「北朝鮮脅威論のマヤカシをこえて」自らが東アジアの脅威となっていることも忘れるなとし、2002年の「平壌宣言」の解凍の必要性を訴えました。
なぜ核・ミサイル開発を
福田安保事務局次長は、『北朝鮮の基礎知識の“き”』として、北朝鮮は一人当たりGDP(2007年)が韓国の15分の1、日本の34分の1と経済が不調なこと、軍事力について防衛白書を紹介しました。
なぜ、核やミサイルを開発するのかについて、北朝鮮なりの論理、ロジックを持ち、ソ連崩壊などで核の後ろ盾をなくしたこと、北朝鮮サイドから見るとアメリカが「敵視政策」を続けて脅威であること、イラクとリビアの問題で、核さえ持っていればとりあえず攻撃されることはないと考えていることなどの考え方を紹介しました。