愛知県弁護士会が学習会 安保法制から考える憲法9条

2月25日、鯱城ホールで、愛知県弁護士会が、布施祐仁さん(平和新聞編集長)と愛敬浩二さん(名古屋大学大学院法学研究科教授)を講師に講演会を開催しました。

布施さんは、自衛隊の現状を紹介しました。陸上自衛隊は方面隊5つで全国をカバーしていますが、今年3月末に「創隊以来の大改革」として、5方面隊を束ねる「陸上総隊」を編成します。陸海空の司令部それぞれが米軍基地の座間、横須賀、横田に置かれ、米軍と一体化します。さらに2015年4月の新ガイドラインによって常設の「共同運用調整所」が設 置されており、事実上の「統合司令部」です。また、米韓合同演習の際、米軍の艦船や戦闘機を自衛隊の艦船や航空機が警護したことがありました。その場合、もしも米軍が戦闘になれば、自衛隊も戦闘していることを意味し、国民が知らないところで参戦することになりかねません。

陸上総隊前後の陸上自衛隊の組織図(布施氏学習会資料より)

愛敬さんは、安倍政権が躍起になっている安倍流「9条改憲」論は、憲法9条に3項を追加して自衛隊を明記しようとしていることについての問題点を指摘され、「1ミリも動かさない」9条改憲が可能か?について解説されました。自衛隊の成立過程で、自衛目的のため必要な範囲の実力部隊であり、憲法9条に違反しないとしてきました。これまでの解釈を「7・1閣議決定」で変更し、安保法制を成立させたことによって、以前の解釈を破棄してしまいました。布施さんの説明にある今の自衛隊を書き加えれば、「1ミリも動かさない」ことはあり得ない。さらに、現在は「日米同盟」であり、安保条約にも違反していると説明されました。

憲法9条改憲の策動を現場からと法的な面での講演であり、3000万人署名を大いにとりくみ、9条は何としても守らねばならないと思いました。