背負わされた苦痛の深さを感じずにいられない 東京三菱前「金曜行動」500回行動

1/17 東京・外務省前

「十代のその少女は、91歳のおばあさんになりました」――掲げられた横断幕の文言に、歳月の長さと老女が背負わされた苦痛の深さを感じずにはいられません。戦時中に嘘と強制連行によって不当な労働を強いられた名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊の訴訟支援で始まった三菱重工への東京金曜行動が1月17日、500回を数えました。

午前八時半、三菱重工に賠償命令を下した韓国大法院判決を「解決済み」とする日本政府に対して、外務省前での宣伝行動の開始です。行動には、県平和委員会の4人をはじめ全国各地の支援者、韓国からの原告の梁錦徳(ヤンクンドク)さんらもかけつけ、60人が参加しました。梁さん自らが、「安倍首相は謝罪せよ」とシュプレヒコール。外務省は「係争中なので原告とは会えない」と面談には応じませんでした。

10時半からは、三菱重工本社前での行動です。高橋信「支援する会」共同代表、梁さんら4人が、三菱側担当者と面談しました。梁さんの「75年も過ぎたのに何の謝罪も賠償もない。このまま何もしないのなら、怒りの涙が川となり、その川に船を浮かべて、世界に怒りを発信する」との訴えを、担当者はしきりにメモを取り、「聞き流す様子はなかった」といいます。面談の報告で高橋共同代表は「500回の行動が面談を実現させた」と述べました。

18時半からは、金曜行動第500回特別集会が水道橋で行われ、日韓両市民100人(韓国光州など21人を含む、全国からは1都、2府、11県)がつどいました。基調報告を行った高橋共同代表は、「金曜行動の継続によって、大きな変化を生み出してきた」として、韓国・光州に市民の会の結成につながり、市民の会は①6自治体で生活支援条例制定、②三菱重工協議(10年~12年)を実現する大きな力となり、③韓国で名古屋訴訟を引き継ぎ、④日韓青少年交流を発案し実現させてきた。また金曜行動の継続が「三菱重工との意思疎通のパイプとなり、本日の要請書手交につながった」と強調しました。「8月1日、2日の開催予定の挺身隊ハルモニを題材にした演劇を成功させよう」と結びました。原告の梁さんは「知っている人がたくさん来てくれた。うれしい」と元気にあいさつをしました。

原告の願いに沿って一刻も早く解決をしないといけない、そう思える集会でした。