「建国記念の日」不承認 2・11愛知県民のつどい『脱亜論』と改憲論を乗り越えるために
2月11日、ウイルあいちにおいて「なぜ歴史認識は衝突するのか:『脱亜論』と改憲論を乗り越えるために」と題して講演会が開催され、250名が参加しました。
開会あいさつで、名古屋歴史科学研究会の岡田洋司さんは、「山田さんは98年にお見えになり、今日は2回目です。その間は歴史修正主義者との戦いでした。この中で分かったことが今日の講演です。」と講師を紹介しました。
山田さんは、歴史認識のズレとはどういうものかと、原爆から立ち昇るきのこ雲の写真から、恐怖、平和、安堵(解放)などのイメージから、歴史の流れの見方、さらには歴史の評価について違い(ズレ)が出てくると説明しました。この見方や評価の違いは、原爆を落とした側から見るか落とされた側から見るかの違いとして、多くのアメリカ兵の命を救い平和をもたらしたと理屈付けをしたトルーマン米大統領の例をあげながら説明しました。
また8月15日をどういう日ととらえるのかと例を出し、戦争が終わった日、戦争に勝利した日、植民地支配が終わった日、その他と四つの捉え方を示しながら、日本人、米国人、中国人、韓国人、多くのアジア人等それぞれどうとらえているのかと問いかけました。さらに、植民地支配が終わった日ととらえる人たちがたくさんいることを、私たちは忘れがちであるとも指摘しました。史実は同じでも、歴史は異なる歴史認識を生み出す例として、徴用工問題を上げました。韓国では強制連行問題であり、自分の意志で帰れない、住むところもお金も自由にならない、参政権もない状態に置かれ、日本人徴用工とは大きな違いがあったことを認識すべきですとしました。
次に、改憲問題は、歴史認識問題であるとして、9条護憲論と9条改憲論それぞれのよって立つ基盤の違いを話しました。戦争、植民地支配の反省として9条護憲があり、「明治150年」「脱亜入欧」の価値観と、日英・日独伊・日米各軍事同盟肯定の改憲論が説明しました。
安倍談話の、日露戦争は植民地支配のもとにあった多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけましたを批判的に紹介し、私たちの責任として、忘れずに負の遺産の清算に参加していこうと結びました。