安保法制違憲訴訟 平和で安全に子育てできる場所を奪う

2/14 桜花会館

「安保法制は、私たちから平和で安全に子育てできる場所を奪い、平和的な教育を奪いました」――2月14日に名古屋地裁で開かれた「安保法制違憲国家賠償請求」訴訟第7回口頭弁論で、原告として意見陳述を行った渡邉優子さんは、自らの意思に関係なく戦争に巻き込まれた祖父の世代、自身は東日本大震災による福島原発事故で避難を余儀なくされて、「国策でいとも簡単に人権が踏みにじられた」と語りました。そして今、安保法制が施行されて、「今度こそ逃げても逃げきれない状況」と悲痛な思いを訴えます。

この日の弁論では、青木有加弁護士が「平和的生存権の内容が不明」とする国側の主張への反論を、青山邦夫弁護士は司法の「違法立法審査権」について、それぞれ準備書面の説明を行いました。

青木弁護士は、平和的生存権についてはすでに論証しており、それに対して国側は「何ら反論していない」と批判。「イラク派遣違憲訴訟」名古屋高裁判決を「傍論で、先例としての価値はない」とする国側に対して、答弁書などで判決の傍論部分を引用しながら自らの主張を補強する矛盾を明らかにして、「日本の裁判所が、傍論部分での憲法判断を担ってきた役割は大きい」と指摘します。

準備書面の冒頭で「違憲立法審査権の根拠・性質」について述べた青山弁護士は、集団的自衛権による海外派兵、後方支援活動の危険性、「駆け付け警護」の引き起こす事態が明らかに憲法9条違反であり、「戦争や武力の行使は必ず国民の生命、自由や人権への侵害をもたらす」として、裁判所の違憲判断を求めました。またNGO「ペシャワール会」で中村哲医師らとともにアフガニスタン復興支援に参加した五井泰弘氏も、原告として意見陳述を行っています。

この日、小西洋之参議院議員、飯島滋明名古屋学院大学教授、布施祐仁「平和新聞」編集長ら3人を、証人申請したことも明らかにされました。次回の弁論は5月8日の予定です。