「安倍なき安倍改憲」を許さない声を 渡辺治氏を迎えて学習交流会
「『安倍なき安倍政治』『安倍なき安倍改憲』を許さない」――9月8日、憲法改悪反対愛知共同センターによる「改憲発議に反対する全国緊急署名」推進のための学習交流会が開かれました。講師の渡辺治氏一橋大学名誉教授はコロナ感染予防のためのZOOMによる講演でしたが、「安倍辞任表明」の直後だけに関心も高く、コロナ禍にも関わらず109人の参加者が会場を埋めます。
「ポスト安倍政権と改憲阻止の展望」について語った渡辺氏は、安倍首相を退陣に追い込んだ要因として、①改憲反対の市民と野党の共闘、②新自由主義政治の結果によるコロナ対処の無力、をあげました。「地域医療構想」で病床の大量削減、公立・公的病院のリストラ、感染症指定機関の大削減、更には保健所の統廃合と医療崩壊が当然といったったところを新型コロナが襲ったのです。では、ポスト安倍政権はどこを目指すのか。渡辺氏は「骨太2020」構想がコロナ禍で多少の変更があっても、「新自由主義継続・強行」の基本路線には変わりがないと指摘します。緊急事態を口実とした明文改憲への固執、トランプ政権の要請に応えた「敵基地攻撃能力」論と一層大量の兵器買い――安倍政権が推し進めてきた日米軍事同盟強化、ますますアメリカの戦争に加担する方向です。
そのうえで「敵基地攻撃論3つの狙い」があると強調します。ひとつは、安倍首相による解釈改憲の集大成と位置づけ、明文改憲への突破口としている。ふたつに、トランプ政権の要請に応え、軍事同盟の「盾」と「矛」の分担変更を狙うもの。3つに、さらなる兵器の爆買いへ。衛星監視システム、巡航ミサイルの購入などが懸念されるなどです。「安倍談話」は、12月に予定している「防衛大綱の見直し」と「国家安全保障戦略」に位置付けことに狙いがあるのです。
そこで私たちは何をするべきか。
渡辺氏は、「私たちは観客になってはいけない」と繰り返し強調します。いま必要なことは、「安倍政治に代わる政治体制を国民に打ち出す」ことです。渡辺氏は、その中心になるのが2019年5月の「市民連合と5野党・会派の共通政策」だといいます。加えて、力で来るなら、「力でねじ伏せる」市民の運動の力です。そして、「私たちが力を緩めれば、彼らは改めて勢いづく」と注意喚起をします。今私たちは大きな時代の転換点を迎えようとしていると思いました。