原告らへの謝罪を含む、一刻も早い大法院判決の履行を!

原告ハルモニらを救済することを命じた大法院判決から2年が経過しましたが、被告三菱重工は、判決を履行するそぶりを微塵も見せていません。安倍・菅政権の「判決が履行されれば、あらゆる選択肢が用意されている」との姿勢に恐れおののいているからです。

判決履行について、光州地域を管轄している大田地方裁判所は10月29日、差し押さえ命令文の公示送達(裁判所が発する文書を日本の外務省が三菱重工に送達しないために裁判所の掲示板に掲げること)を決定しました。効力は、6ヶ月後の12月30日に発生します。これによって、債権差し押さえ手続きが現実味を帯びてきました。この手続きが進められれば、日本政府は、公務員のビザ発給停止、駐韓大使の一時帰国などの対抗措置に出る可能性があります。菅義偉首相は官房長官時代の8月、現金化が現実となった際の対抗措置について「ありとあらゆる対応策を検討し、方向性は出ている」と語っています。

一方、被告三菱重工は、差し押さえ手続きが執行されても原告ハルモニらに一言の謝罪もせずに静観する構えです。

三菱重工は、日本政府の「解決済み」論による「判決履行はまかりならぬ」という圧力に屈することなく、大法院判決をベースに原告が納得する解決に向けた協議に一刻も早く応じなければなりません。いま、日韓間は最悪の対立状態にあります。今年、三菱重工は創立150年を迎えましたが、SJ凍結などにより営業損益が20年ぶりに赤字に転じています。こんな時こそ、社是にある「社会的貢献」「誠実を旨とする」という観点から解決に乗り出すならば、本件の解決のみならず、日韓の対立を解きほぐす大きな貢献をすることになります。3人の生存原告は、高齢による生命の危機にあります。原告の救済は、一刻の猶予もありません。本件解決によって、当面は日韓対立を煽る歴史改竄主義者らによる逆風にさらされたとしても、風向きを順風に変える大きなチャンスになります。“ウソは信(マコト)に勝てません”。“真実は決して沈みません”。

(名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会 髙橋信)