禁止条約発効記念 被爆体験を聞く会
自分の事として考えていきたい
青年・学生部は核兵器禁止条約発効を祝い、平和について考え、被爆体験の継承をしようと「被爆体験を聞く会」を1月23日オンラインで開催しました。青年12人を含めた19人が参加しました。
ミニ学習会として、青年・学生部の塚本大地さんが太平洋戦争開始から核兵器禁止条約発効までを説明しました。
被爆体験は、金本弘さん(愛友会理事長)にお話いただきました。金本さんは、広島で生後9か月の時に爆心地から2・4キロ地点で被爆。当時15歳だった姉に背負われていましたが、被爆の衝撃で気を失ってしまいました。姉が助けを求めたところ、居合わせた男性が防火用水に金本さんを入れて頬を叩いて意識を取り戻しました。大きなケガはありませんでしたが、幼いころから病弱で、退職後に受けた健康診断では医師から「退職まで勤め上げられてラッキーだった」と言われるほど検査結果はよくありませんでした。その時に、「昔から病弱だったのは、被爆の影響だったのか」と実感したそうです。
また、1・5キロ地点で被爆した姉は上半身に火傷の跡があり、家族にすら傷跡を見せませんでした。死産も経験し、複数のがんを患い亡くなりました。身近に原爆で苦しんだ人がいながら、被爆の問題に70歳近くになるまでかかわってこなかったことについて「自分が悔しい。国を恨んだ」と涙をにじませながら語りました。
核兵器禁止条約発効に日本政府が不参加を表明していることについての質問には、「恥ずかしい。戦争についてきちんと反省していないからだ。批准国がさらに増えていけば、日本も条約を批准せざるを得ないと思う」と話しました。
教員をめざす大学3年生の参加者は、「将来、子どもたちに戦争を教えるときに他人事であってはならない。自分の事として考えていきたい」と感想がありました。