『建国記念の日』不承認2・11愛知県民の集い 危機のただなかで自治を考える

2/11 名古屋市公会堂

第55回を迎えた2・11集会は、コロナ禍の緊急事態宣言の下、開催が危ぶまれましたが、市公会堂は閉鎖されませんでしたので、三人用テーブルに一固定席とし、資料と席カードを事前に座席に置いておく等、対策を万全に取って開催しました。

講師は、環境史と農と食が専門で、岩波新書電子版の『パンデミックを生きる指針』で今注目の藤原辰史京都大学人文科学研究所准教授で、「危機のただなかで自治を考える」とこの時期ならではのテーマでお話しをいただきました。危険を押して150名の方が参加されました。この紙面をお借りしてあつくお礼申し上げます。

講演は、感染症の流行が人類の歴史をいかに動かしてきたを世界の豊富な研究と資料によって語った「第一部 歴史分析:スパニッシュ・インフルエンザ」から始まりました。このインフルエンザが、第一次大戦と食料危機と関わり、その後の世界的な暴動と社会変革をもたらしたというグローバルな歴史の見方が圧巻でした。

コロナ対策でのいつもより長い休憩をはさんでの「第二部 現状分析:新自由主義の限界」「第三部 思考実験 ラディカルな食と農の思想を目指して」では、コモン(水・種子・食・農地・風景・土地・知識)の過剰な市場化・商品化に対抗すあらゆるレベルでの「自治」の回復を語られました。後半の最初にのべられた、「日本のコロナ後の『危機』が私たちに試すテストは、経済活動がストップしても人間が生きることのできる社会が形成されているかどうか。「地球社会」存立の危機に食と農の思想をどこまで覚悟と緊張感を持って紡ぐことができるのか、瀬戸際に立たされている」という言葉がズシンときました。

(2・11集会事務局高木傭太郎)