「高江訴訟」控訴審 公安委員長のあり方を問う
「沖縄高江への愛知県警機動隊派遣違法訴訟」控訴審の第3回法廷が、4月6日、名古屋高裁大法廷で行われました。コロナ感染対策で傍聴席が約半分に制限されても、傍聴者のまなざしはどこまでも熱いです。
「その本来の機能は・・・あくまでも県警の独善化の防止や県警の政治的中立の保持といった面にある」―今回、控訴人側から出された第4準備書面は、愛知県警本部長の専決処分が違法であり瑕疵があると認めながら、公安委員会への事後報告により治癒されたとする一審判決に対して、公安委員会のあり方を問う内容になっています。
「準備書面」は、公安委員会の専決の限界を論じた警察庁幹部の論文(「長岡論文」)や、大阪府警から出された疑義に対する警察庁の回答文書などをとりあげて、「愛知県警本部長による本件派遣決定が違法であることは、少なくとも当時の警察庁の見解がこれを支持している」と結論づけました。そして、「警察の政治的中立性のためには、公安委員会が決裁すべき事案であり、県警本部長による専決は重大な瑕疵」と、厳しく断罪するのです。
原告による意見陳述には、この日の陳述のために高江にも行ったという近田美保子さんが立ちました。「本土ではわからないかもしれないけど、高江にいると安保法制で訓練の内容が変わったことを身をもって感じる」―近田さんは、ヘリパッド反対の運動を続ける住民の声をあげて、安保法制成立後に日常化している米軍と自衛隊の共同訓練の高江の現状を訴えました。その上で、「沖縄で起こっていることは他人事ではない」と述べて、「裁判長も当事者です」と、公正な判断を求めます。
次回法廷は、6月2日(水)13時30分から15時30分の予定です。愛知県警機動隊を高江へ派遣した当時の県公安委員長入谷正章氏の証人尋問が行われます。控訴審はいよいよ核心へ、裁判の行方から目が離せません。