「高江訴訟」控訴審 承認尋問で県公安委員会の形骸化明白に

6/2 報告集会

「沖縄県公安委員会からの要請文書も、愛知県の同意文書(差出名・県公安委員会)も見ていない」「高江への機動隊派遣の目的は具体的に聞いていない」―「沖縄高江への愛知県警機動隊派遣違法訴訟」控訴審の第4回法廷が、6月2日、名古屋高裁大法廷で行われ機動隊の沖縄派遣当時の県公安委員長だった入谷正章氏(弁護士)が、被控訴人(被告)側証人として出廷し証言しました。控訴人側の反対尋問に対する証人の証言は、「公安委員会は県警を管理する」(主尋問への証人の証言)どころか、県警の言いなりという疑念と公安委員会の形骸化を強く感じさせます。

被控訴人側の主尋問は、県警本部長による本件専決処分が違法でないことを証人の口から述べさせようと終始するのですが、「本件の報告に問題を感じたか」と問われて「問題を感じていない」と答える一方で、具体的な業務内容は「はっきり覚えてない」という始末です。

控訴人側の反対尋問には、吉田、岩月、長谷川各弁護士が当たりました。ここでは派遣任務の内容について「具体的には聞いていない」と答えています。専決処分の報告についても、「意見を聞いた程度で、決裁はしていない」という有様です。高江ヘリパッド問題で沖縄県と国が対立関係の「認識があった」上で、政治的中立性は「県警にもあると思う」と答えても、事後報告には「異議はなかった」といいます。

閉廷後の報告集会では、吉田弁護士が「公安委員会が警察を管理すべきところ、県警が公安委員会を管理している実態が明るみになった」と発言すれば、岩月弁護士も「警察白書でさえ、公安委員会の役割を明らかにしているのに」と続けました。長谷川弁護士は「公安委員会の形骸化は予想以上」と批判して、「3回の派遣が事後報告で治癒されたというような状況ではない」と断じるのです。

次回は、8月26日で、控訴審は遂に結審を迎えます。