「不自由展・その後」中止に言論の封殺は許さない

7/6 市民ギャラリー栄

2019年夏に開催された「あいちトリエンナーレ2019」の企画「表現の不自由展・その後」が、名古屋市長の干渉や卑劣な妨害行為で中止に追い込まれました(再開を求める市民の声にその後再開)。あれから2年、「作品そのものを身近に見て、触れて、感じることを大切にしたい」と、「私たちの『表現の不自由展・その後』」が企画・展示されたのですが、開催2日にしてまたもや中止になったのです。

7月6日から市民ギャラリー栄8階展示室で開かれた「展示会」は、8日朝になってギャラリー栄宛に届いた不審な郵便物から破裂音がしたとして、名古屋市は急遽、ギャラリー栄の臨時休館を決定しました。事件後の記者会見で「職員から退出を求められ、事件の説明などなかった」と言うように、展示を見ようと午前9時半頃から会場地下にいた筆者は、スタッフに尋ねても要領を得ず、ただ茫然のとするばかりでした。

主催者の「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会は、施設側に展示の再開を求めるとともに、愛知県庁内で記者会見を行いました。共同代表の中谷雄二弁護士は、「暴力によって表現を封じるようなことが続けば、自由にものが言えなくなる。言論の封殺は許さない」と憤りを隠しません。「つなげる愛知の会」と市民らは、連日市役所前や街頭で再開要請行動を行いましたが再開は叶いませんでした。

「展示会」に先がける7月3日、東別院ホールで行われた学習会では、武蔵野美術大学の志田陽子教授が「表現の自由」について講演、「表現の自由は民主主義の社会の前提であり、憲法の基本」と語りました。「全ての表現に対して道は開かれなければならない」と述べ、「批判の自由は認める」としつつ、「批判の自由にもルールがある」と説きます。